清水美沙と工藤静香、前田敦子、石田ゆり子…「クリスマスと日本映画」の好相性を堪能できる映画4選【冬の映画案内】

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イブの日のどんでん返し

〇「イニシエーション・ラブ」(2015年)

 バブル真っ只中の1987年。静岡と東京を舞台に、Side-A、Bの2部構成で描かれる恋愛物語。

 Side-A:太っていることがコンプレックスの大学生・鈴木(森田甘路)は、合コンでマユ(前田敦子)に一目惚れする。懸命に努力して恋人関係になった鈴木は、クリスマス・イブの日、痩せればカッコ良くなるとマユに言われダイエットを宣言する。

 Side-B:見違えるようにスリムになって就職した鈴木(松田翔太)は、東京へ転勤することになった。洗練された美弥子(木村文乃)と職場で出会い、その魅力に心は揺れ動く。そして、マユとの関係に亀裂が生じ始めた。

 2004年に発表された乾くるみの原作は、最後にすべてがひっくり返る、巧妙な仕掛けが話題となった。筆者は映像化不可能だと思っていたが、公開時に「こんな手があったのか」と驚いた記憶がある。原作・映画の両方を比べて楽しんでいただきたい。

ラストの前田の表情に注目

 バブル期の風俗が見事に再現されている本作は、最後に「’80年代図鑑」が流れる。カセットテープ、テレホンカード、ソバージュ、DCブランド。そしてクリスマス・イブの説明にはこうある。「高級ホテルで過ごすスタイルが大流行。シティホテルの予約は半年前から争奪戦だった」と。

 当時の前田敦子は2012年にAKB48を卒業し、本格的に女優活動を始めた頃で、マユ役は「あざといけど可愛い」「ハマり役すぎる」と評価が高かった。本人も「衣装もメイクも新鮮で楽しかった。聖子ちゃんカットのような髪型や、当時のアイドルのような存在感を意識しました」と語っている。

「最後の5分 全てが覆る。あなたは必ず2回観る」と謳っている本作。そのクリスマス・イブの日、ラストの前田の表情に注目だ。

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