「主役級」選手が実は「3人だけ」だった男子ゴルフ、そこに分け入った“努力と忍耐”の英国人選手とは 来季の日本男子は5人参戦【2026年展望】
マキロイと競ったスポーン
世界の男子ゴルフ界の2025年シーズンを振り返ってみると、華やかな舞台に登場した選手の顔ぶれは多彩だったが、メジャーあるいはメジャー級の大会を制して大活躍した選手が、実は数人に絞られていたことに、あらためて驚かされる。
【写真】「主役級」選手3人と「そこに分け入った」英国人選手とは
3月に開催されたPGAツアーのフラッグシップ大会、「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権は、北アイルランドのローリー・マキロイと米国のJ.J.スポーンの優勝争いとなった。首位に並んだ2人は、悪天候によって月曜日に持ち越された3ホールにわたるプレーオフへもつれ込んだ。
当時のスポーンは、PGAツアーでまだ1勝しか挙げておらず、世界的に知られているとは到底言えない存在だったため、百戦錬磨のスター選手であるマキロイが勝利するだろうと予想されていた。
そんな中、スポーンは「恥ずかしい負け方だけは絶対にしたくない」と心に決めてプレーオフに臨んだが、17番で池に落とし、トリプルボギーを喫して自滅的に敗北。その悔しさと屈辱感が3か月後のビッグな勝利につながることを、あのときはスポーンも周囲も、まだ予想すらしていなかったのではないだろうか。
マキロイのキャリアグランドスラム達成
一方、この勝利で自信と手ごたえを倍増させたマキロイは、4月のマスターズで悲願の初優勝を挙げ、史上6人目のキャリアグランドスラムを達成した。
2011年マスターズで首位を独走し、キャリア開始早々に初優勝に迫りながら、最終日の後半に大崩れして号泣したマキロイは、それ以来、オーガスタ・ナショナルでどうしても勝つことができなかった。
しかし、それから14年が経過した2025年大会でついに勝利を挙げ、夢にまで見たグリーンジャケットを羽織り、
「長い旅だった。早く母国にいる父と母に報告して、一緒に喜びたい」
と、うれし涙を流した。
5月の全米プロでは、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが勝利した。シェフラーは2024年のクリスマスの際、ディナーの準備中に右手を負傷して手術を受け、2025年シーズン序盤は欠場を余儀なくされていた。
しかし、1月末に戦線復帰すると、5月のCJカップ・バイロン・ネルソン選手権で早々に優勝し、さらに全米プロでも勝利を挙げて、相変わらずの強さを見せつけた。
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