今では信じられないが…かつて「クリスマスイブをひとりで過ごす」のは恥ずかしいことだった…「シングルベル」時代の空気感を振り返る
今となっては、家族でちょっとしたご馳走を食べる日、程度の意味合いしかないクリスマスイブ。だが、1980年代後半から2000年頃までの日本では、若者にとって「自分に価値があるかどうか」を識別される奇妙な日だった。一緒に過ごす異性がいる人間は価値があり、そうでない者は恥ずかしさを感じ、他者からは“無価値の者”という扱いをされていたのである。しかし、今やクリスマスイブは先述の通り、ちょっとだけ特別感のある、普通の一夜ということになっている。これが本来あるべき姿だし、“イブを一緒に過ごす相手がいない”というだけで妙な差別を受けたり、劣等感に苛まれなければならなかったのが、異常なことだったのだ。...

