ネトフリが「ワーナー」買収で“邦画界”はどうなる? 「るろ剣」「東リベ」「爆弾」を送り出した名門の今後…元「日本法人代表」は“大谷翔平”通訳の実父

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巨大メディア再編

 米動画配信サービス・Netflix(ネットフリックス、以下ネトフリ)による、米メディア大手・ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収(買収額は827億ドル=約13兆円)は、ハリウッド映画の名門スタジオが動画配信企業の傘下に入るという、米メディア業界の大規模再編劇だけにとどまらず、好調な邦画の制作現場に大きな影響を与えることになりそうだ。

 ワーナーの日本法人である「ワーナー ブラザース ジャパン合同会社(以下WBJ)」は、買収の発表を受け、同社が提供している日本国内向けの劇場配給業務を年内いっぱいで終了することを発表した。

「正式発表より前に、米国内では買収の話が浮上していたようで、ワーナーが扱う洋画作品の国内における劇場配給は、2026年から東宝の子会社である東宝東和が担当することが今年の9月に発表されていました。もともとWBJは中途採用の契約社員が目立ち、将来を見据えてプロデューサーなど、それなりの肩書きを与えられている人もいましたが、優秀な社員は早々とほかの会社に転職していました」(映画業界関係者)

 WBJは12月15日から23日の9日間、集大成のメモリアルイベントとして、不世出のアクションスター、ブルース・リーの出世作となった「燃えよドラゴン」など13作品を上映する「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」を開催し、その歴史に幕を閉じることに。だが、同社が国内の映画界の活況に果たした貢献は多大だったといえる。

「ワーナーが配給した洋画作品では、80年代に『グレムリン』(84年)、90年代は『ボディーガード』(92年)が大ヒットしました。日本国内でもビジネスが十分に見込めることを悟ったのか、92年5月にワーナーの日本法人が設立されました。初代社長となったのが日本の大学を卒業し、東宝東和にも勤務していたウィリアム・アイアトン氏です。国内の映画会社や、各マスコミ媒体の記者たちにもコネクションがあったことで抜てきされたといいます。ちなみに、ウィリアム社長の次男、ウィル・アイアトン氏は、米大リーグのドジャースで大谷翔平や山本由伸らの通訳を務めていることで知られています」(ベテラン映画担当記者)

 アイアトン氏の体制下ではヒット作が相次いだ。まず、3部作で興行収入210億円以上を記録したキアヌ・リーブス(61)主演の「マトリックス」シリーズ。第1作の「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)が、興収203億円を記録するなど大ヒットした「ハリー・ポッター」シリーズ。

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