玉木氏悲願成就で「気分はもう与党」 国民民主と自民の間を取り持つ「ASライン」
どれだけの人が恩恵を受けるのか
玉木氏は実際、連立政権に加わる可能性について記者に問われ、「政策を共に実現したパートナーとはより信頼感も深まる。今後どのような連携のあり方が可能なのか、幹事長間で話をするなど、両党で距離感や間合いを縮めることができるのか、その協力の幅と深さについては別途協議していきたい」と述べた。連立を否定しなかったどころか、乗り気と受け止める向きは少なくない。
もっとも、今回の合意は「年収665万円までの人を対象に基礎控除のさらなる上乗せを行うこと」となっており、所得制限を設けるべきではないと国民民主がこれまで求めきた狙いとは異なる。実際、「そもそもどれだけの人が恩恵を受けるのか」といった疑義の声も小さくない。年収665万円を超えないように調整して働くのがお得だ、といった揶揄も聞こえる。
そういった声を踏まえて玉木氏も「ミッション、コンプリート」をアピールすることはできなかったようだ。
ラディカルな維新
玉木氏は予算に賛成することについて。「我々は2022年の岸田内閣の時の本予算に賛成したが、その後、選挙もしっかり戦っている。野党だから本予算に賛成するとか、反対するとかという既存の政治のあり方がもう崩れている」と訴えている。現時点ですでに予算に賛成するのは既定路線だろう。
「年が明けてからの通常国会でスキャンダルなどが何もなければ、予算成立後に維新は定数削減についてさらにラディカルな姿勢を強めることは間違いない。定数削減について高市氏はまったくやる気はありませんが、落としどころがどこになるかは現時点でも見えません。が、維新は国民民主の存在をそれなりに意識せざるを得ないでしょう。維新内は一枚岩ではなく、そこまで先鋭的にやる必要はないといった勢力もいます。そういった一部と国民民主を取り込んでの連立という形もあるでしょうね」(同)
その際にもASラインが機能することになる可能性大である。
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