「33億件のユーザーID」を不正取得して逮捕された中学生も…デジタル教育の強化で“サイバー犯罪の低年齢化”を進めないために何が必要か
いつ子供にスマホを持たせるか
高校生が女子大生に成りすまし、ロマンス詐欺を働き逮捕されたと報じられたのは11月のことだ。SNSを徘徊するなかで、贅沢自慢をしていたアカウントに行き当たり、過去の投稿を読み漁ってオンラインカジノ、要するに賭場の存在を知った。
坂を転げ落ちるようにオンラインカジノにハマり、高じて賭博関連のグループチャットに出入りするなかで詐欺のマニュアルを入手。種銭を稼ぐ目的でロマンス詐欺を実行してしまった。SNSに跋扈するワル自慢に引っかかり、親切なフリをしたさらなるワルに騙されて道を踏み外す。最近では、特に珍しい事例でもない。
SNSやオンラインゲームのチャット機能を通じた性的脅迫(セクストーション)や詐欺の脅威が払拭されないなかで、子どもにスマートフォンを持たせることに決心がつかないのは当然だろう。
荒みきった先行事例を前にして、鉄を熱いうちに打つか、果報を寝て待つか。デジタルがあらゆる場面で不可分となった今の世界線で、こと小学生とスマートフォンとなれば、簡単に答えは出てこない。
いつ、どのようなかたちで子どもにスマートフォンを持たせるか。子どもの成長だけでなく各々の興味関心や個性にもよることゆえ、最終的には親が子どもと真正面から対峙して見極めるという、きわめてアナログな方法しかないのかもしれない。
親もスマホの使用を律する必要
子は親の背中を見て育つという。親がゲームやSNSに夢中になっていて、朝から晩まで、ご飯時にもスマートフォンを手放さないとなれば、言わずもがな、子どもも「そういうものだ」と真似を始めてしまう。
まず大人がスマートフォンの利用を律し、普段から常識に適った振る舞いをして、その姿を子どもに見せ続ける。これが初めの一歩となるのは、間違いなさそうだ。
第1回【今や小学3年生でも「自撮り」「鍵垢」「バズる」「なりすまし」といった言葉は常識…低学年の子どもにとって「スマホが憧れの対象」で本当に大丈夫か】では、小学校4年生の女児が厚紙と色紙でスマホを“自作”するなど、9歳の10歳の子供でもスマホは憧れのアイテムになっているという“リアル”について詳細に報じている──。
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