「家賃500万円を滞納」 逮捕された名投手「米田哲也」の極貧生活 選手時代の“豪快エピソード”も

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「もうしない」

 家賃さえ支払えない生活。その果ての万引きだったわけだが、驚くことに、万引き騒動はこれが初めてではなかったのだ。

「今年に入って、今回で3回目や。1回目は近くのドラッグストア、それから1週間もせんうちにコンビニでやりよった」

 とは、近隣住民の弁。

「警察もぎょうさん来とったで。ドラッグストアのときは奥さんがすぐに迎えに行った。コンビニのときには、おまわりが“お前またやっとんか”ってあきれてたらしいわ。このときは勾留されとったな。近所のおばちゃんが差し入れの服を持って行ったり、数千円のお金を持って行ったり。米田さんは“もうしない”と言ってたみたいや。いつだったか、彼に“おつとめご苦労さん”言うたら、ニヤッと笑いよったわ」(同)

OBに「カネを貸してくれ」と電話

 やがて球界でも、米田氏の困窮ぶりが広まった。野球評論家の江本孟紀氏によれば、

「OBに対して“カネを貸してくれ”という内容の電話をしていたと聞いたことがあります。生前、野村克也さんからもそう聞きました」

 無心は、米田氏と同じく名球会の創設メンバーである、球界のご意見番にも及んでいた。

「友人たちから(金を)借りまくっている、という話は聞いていました」

 そう述べるのは、野球評論家の張本勲氏である。

「数年前、私の元にもそういう話があった。私は“金の貸し借りはやめましょう”と諭しましたが、結局、ほかの人に無心していたようです。ダメだったみたいですがね」(同)

 3歳年下である張本氏の、プロ初試合の相手がほかならぬ米田氏だった。

「事件を知って、淋しいというか悲しい。これが大投手の成れの果てか、と。輝かしい球歴を残しているから、いくらか老後の畜えぐらい残して真面目にやってくれると思ったのだけれど、本当に胸が痛みます」(同)

 メジャーリーグと比べて、日本のプロ野球は選手らのセカンドキャリアへの保障が不十分であることはよく指摘されるところだ。そうした制度がきちんとしていれば、今回のような悲劇は避けられたのだろうか。華々しい経歴を持つ名投手の運命はなぜ暗転してしまったのか……。関連記事【名投手・米田哲也を転落させた「水商売の失敗」のウラ側 芦屋の高級マンションは競売に】では、米田氏が転落するきっかけとなった事業の失敗について詳報している。

デイリー新潮編集部

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