「家賃500万円を滞納」 逮捕された名投手「米田哲也」の極貧生活 選手時代の“豪快エピソード”も

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型破りな指導

 豪快な気風は、指導者となっても変わらない。

「常日頃、規律正しい生活を強いられる若手選手に、羽を伸ばす機会を与えることにも心を砕いていました。遠征先ではかわいがっていた後輩に“遊んでこい。ついでに、俺に合った店もチェックしてこい”と言って、夜の街に送り込んでいました」(前出の元スポーツ紙記者)

 指導内容も型破りで、

「“朝まで飲んでこい。それからマウンドで完投しろ。それくらい頑丈な体じゃないと投手は務まらない”などと、無茶としか言いようがないものでした」(同)

築50年の木造アパート

 そんな米田氏の現在は、かくも華々しい経歴と豪放な気質の持ち主とは思えないものだった。

 住まいは、兵庫県尼崎市の閑静な住宅街で、昭和のまま時が止まったかのような存在感を放つ、2階建ての木造アパート。築およそ50年のこの集合住宅に、日本プロ野球界で数々の偉業を達成した伝説的な名投手が暮らしているとは、誰も思うまい。

 入居は2016年。大家が当時を振り返る。

「間取りは2DKで、家賃は5万円。米田さんは奥さんと住んでいますよ。入居するとき、契約書の職業欄に“野球コメンテーター”とあって、“あの米田哲也やんか!”と。入居してくれるのであれば、そうしてほしいと思いました。米田さんといえば大エース。私は阪急のホームグラウンドだった西宮球場まで、よう観に行っていましたから」

「ざっと500万円くらい滞納」

 だが、“借主”としての米田氏は往年の大投手からほど遠かった。

「入居当初は、米田さんを仲介した不動産屋が毎月の家賃を払っていたんですよ。でも、それが1年ほどで止まってしまった。17年3月以降、もうずっと払ってもらっていません。ざっと、500万円くらい滞納しているんです」(同)

 米田氏宅へ催促に赴くと、

「“もうちょっとしたらカネ入んねん”って、毎回同じこと言うんですよ。保証人が奥さんだから、どうしようもない。奥さんに聞いても、すぐ“主人を呼んできます”って引っ込んじゃう。3月にも行ったんですけどね。まあ、裁判となると弁護士を雇わないといけないし、私は元阪急ファンやからなあ」(同)

 むげに追い出せない苦衷の胸の内を漏らすのだ。

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