激怒した監督が相手ベンチに「来い!」 バットを蹴り飛ばす“問題行動”も…2025年プロ野球ぶち切れた人々

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 派手な乱闘シーンが見られなくなった近年のプロ野球だが、2025年シーズンでも、危険球がきっかけで監督同士がにらみ合ったり、納得のいかない判定に選手がぶち切れるシーンなどが見られた。そんな怒れる人々を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

腹に据えかねるものがあった

 まずは阪神・藤川球児監督にご登場願おう。

 現役時代は温厚なイメージが強かったが、指揮官としてチームを率いる立場になると、時には怒りを前面に出して、なかなかの闘将ぶりを発揮した。最も印象深かったのは、4月20日の広島戦の8回に起きた“死球騒動”である。

 5点リードの阪神は、1死一、二塁のチャンスで、坂本誠志郎がルーキー・岡本駿の初球を頭部に受け、頭を押さえてうずくまった。

 藤川監督が心配そうにベンチを飛び出し、坂本に駆け寄ったが、直後、三塁側広島ベンチからヤジられたらしく、突然「来い!」とばかりに怒りのジェスチャーを見せて、審判団や坂本、安藤優也コーチらに制止される騒ぎとなる。

 広島ベンチからも新井貴浩監督をはじめコーチ、選手が本塁ベース付近に集まり、にらみ合いとなった。広島側はすぐに謝罪し、ヤジについても「一切なかった」(新井監督)と強調した。

 阪神は前年、広島からリーグ1位タイとなる15個の死球を受けていた。これが伏線となって、坂本の頭部への死球をきっかけに、藤川監督が珍しく怒りをあらわにする事態になったようだ。

 ネット上でも「エキサイト球児おもろいなあ 藤川監督まあ半分はパフォーマンスよな ええよええよ」「藤川球児監督をデッドボールを受けた本人である坂本選手が落ち着かせる…どっちが監督?」などの声が出た。

 試合後、藤川監督は問題のシーンについて「『(頭部に)投げてはダメだよ』というところですね。それは危ないですからね。ゲームの中で起こることだけれども、『投げてはダメですよ』というところをお伝えしているだけです」と説明した。

 その後もこの一件は尾を引き、5月17日、18日の同一カードでは、試合前のメンバー表交換の際に2日続けて両監督が目を合わせなかったことが話題になった。

 藤川監督は「私がとった行動に対して、不快に思われたファンの方、心配してくれたファンの方には申し訳ないと思っている。もうこれで終わりです」と陳謝したが、新井監督は「自分もチームを預かる者として、腹に据えかねるものがあった」と説明し、両者の間にわだかまりが残っていることを印象づけた。

 改めて死球の影響がいかに大きいかを痛感させられる事件だった。

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