“極度の脱水状態”で“熱失神”か…赤坂「高級個室サウナ火災」で命を落とした夫妻は“死因不詳”も専門医は「循環喪失の状態に陥ると15分で死に至るリスク」を指摘
サウナは「低温調理」と同じ空間
「一酸化炭素中毒で死亡すると、皮膚がピンク色になります。この色で死因を推測するわけですが、室温など状況よってはピンク色は消えてしまいます。被害者のご夫婦は現場から救出され、搬送先の病院で死亡が確認されました。この時点でピンク色が消えていた可能性があると思います。いずれにしても現場の状況から考えると、個室サウナに閉じこめられたことで重度の熱中症に陥り、意識を失って倒れてしまった可能性が考えられのではないでしょうか」(同・加藤医師)
フィンランドは自他共に認める“サウナ王国”であり、そのために死亡例の研究も進んでいるという。
「飲酒したにもかかわらずサウナに入ったり、中で眠ってしまったり、失神したりして死亡した事例が蓄積され、それを解析した論文がフィンランドで発表されています。サウナで熱中症が重篤化すると、極度の脱水状態となって血液の循環量も不足していきます。そして『循環喪失』の状態になると、最短15分ほどで死亡してしまうことが報告されています。循環が止まると、まさに食用の生肉を60度から70度の温度で調理したのと同じ状態になってしまうわけで、そのまま放置すると全身の皮膚が焼け焦げてしまいます」」(同・加藤医師)
“人災”の可能性
あまりの暑さに夫婦が「熱失神」を起こして意識を失ってしまえば、脱水症状も血液循環量の減少も悪化する一方になってしまう。そして「循環喪失」が起きると、残された時間は15分もない──。
被害者の夫婦は2時間コースを選んだことが分かっており、午前11時から午後1時まで利用する予定だった。そして火災報知器は正午過ぎに鳴った。
「報道でもドアノブが注目されています。私も様々なサウナを体験しましたが、ドアノブが使われている出入り口は一つも見たことがありません。これだけでも安全性を考えると大問題ですが、百歩譲って非常用ベルさえ動いていたならば、ご夫婦が亡くなるという悲劇は防げたはずです。さらに通常のサウナ施設ならば、様々なアクシデントに対応するためのマニュアルが作成されており、その内容を研修などで確認しています。果たして『SAUNATIGER』はマニュアルを作成していたか、どのような研修を行っていたのかも捜査してほしいと思います。警視庁は業務上過失致死罪も視野に入れていると報道されています。確かに私から見ても運営会社の安全意識に問題があったと判断せざるを得ず、“人災”と批判されても仕方がないのではないでしょうか」(同・加藤医師)
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註:「【速報】赤坂のサウナで2人死亡火災 司法解剖の結果『死因不詳』-警視庁」(日テレNEWS:12月17日)は《焼死や高体温症死の可能性》、「【速報】サウナで死亡の2人の死因『不詳』も熱中症か焼死の可能性高いと判明…従業員不在で業務上過失致死の疑いも 警視庁」(FNNプライムオンライン:同)は《熱中症か焼死の可能性が高い》




