中国が日本への“嫌がらせ”を行う背景に「深刻な不況」が 高い失業率、言論統制で「国民には不満がたまっている」

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 一触即発とはこのことだ。さる12月6日、中国軍の戦闘機が航空自衛隊の戦闘機に向けて、レーダーを照射した。ミサイル発射の一歩手前とも取れる行為で、狼藉ぶりも甚だしい。諸外国の周囲でも度を越した挑発を繰り返す彼の国に、われわれはどう対処すべきか。

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 よほどの緊急事態ということだろう。12月7日の午前2時過ぎ、小泉進次郎防衛相(44)が、中国の戦闘機による「レーダー照射」について、臨時で記者会見を開いた。多忙な大臣が異例の“深夜会見”を実施するまでの経緯を、防衛省担当記者が振り返る。

「ことの発端は5日、中国軍の空母『遼寧』が沖縄本島の北西側の海に姿を現したことです。ミサイル駆逐艦3隻を伴いながら空母は南東にかじを切り、翌6日には沖縄本島と宮古島の間をくぐり抜けるようにして、太平洋に進出しました。7日までに遼寧からは約100回も、戦闘機やヘリの発着艦が確認されています」

 日本近海でのこうした動きに対し、航空自衛隊は領空侵犯を警戒して戦闘機「F-15」を那覇基地からスクランブル(緊急発進)させた。この“イーグル”の異名で知られる航空自衛隊の主力戦闘機に対して、くだんのレーダー照射が行われたのは、6日16時過ぎ、沖縄本島の南東側でのことだった。

「F-15が感知したのは、遼寧を発艦した中国軍の戦闘機J-15から発されたレーダーでした。約3分間、断続的に照射され、さらに18時半~19時ごろにかけての30分間でも、同様の照射があった。両機は互いに目視できない距離で飛行しており、F-15はその後も任務を続行したそうです」(同)

 それから10時間も経ないうちに前述の会見が開かれた理由を、元空将で麗澤大学特別教授の織田邦男氏が解説する。

「戦闘機のレーダーには2種類のモードがあり、一つは相手の位置をつかむための捜索用、もう一つは火器管制用といって、ミサイルや射撃の狙いを定める“ロックオン”用のものです。火器管制用のモードは相手の高度や速度が正確に分かるので、敵機の情報や性能を把握するのにも使えます。そうした情報収集のためだけに、火器管制用モードを使用することも珍しくありません。ただ、今回はそれが2回にわたり執拗(しつよう)に照射された。単なる情報収集を超えて、ミサイル発射の威嚇に取れるものだったのです」

厚顔無恥

 F-15のパイロットからすれば、こめかみに銃口を押し付けられたような状態だったというのだ。小泉大臣は会見で遺憾の意を表明し、政府は外務と防衛の双ルートで抗議や再発防止の申し入れを行った。また、高市早苗首相も「極めて残念」とのコメントを出している。その一方で、レーダーが捜索用か火器管制用か、日本政府は依然として明らかにしていない。軍事ジャーナリストの潮匡人氏が、状況を分析する。

「深夜に会見まで開いたということは、十中八九、日本側は火器管制用だと分かっているのでしょう。例えば2018年に韓国海軍からレーダーを照射された際には、はっきり火器管制用と日本側が発表しました。韓国側は反論しましたが、防衛省は火器管制用だと分かる証拠を公表し、突き付けたのです。今回も同様に、証拠を提示して中国側の反論を否定すべく、準備をしているのかもしれません」

 中国側はというと、レーダーはあくまで「捜索用」としつつ、日本側が軍事活動を妨害したとの立場を取る。中国外務省の報道官は8日の会見で「(中国側に)罪をなすりつけて国際社会をミスリードさせている」とまで述べた。ちなみにレーダー照射があった6日には、南シナ海でも中国船が100隻以上、停泊しているのが確認された。さらに一部の船団は警戒していたフィリピンの航空機に、熱と光を発する「フレア」を放ったという発表が比当局からなされたのだ。まさに厚顔無恥というほかあるまい。

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