日中関係改善は「下手をすると10年かかる」 トランプを全面信頼できない高市官邸の苦悩

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10年か10か月か

「トランプ氏の中国に対する考え方は振れ幅が大きすぎて読み取るのは不可能ですが、少なくとも11月末の日米首脳電話会談の時点では中国とのディールを優先したいという思惑が強かったのでしょう。そのディールの妨げとなりえる要素はカットしたいと考えるのは自然だったはずです」(同)

 現時点で頼みとした米国側の後押しを受けられずにいる日本政府。今後の展開はどうなって行きそうなのか。

「中国の強硬姿勢は下手をすると10年続くという見方から、威嚇スタンスを長期間持続するのは不可能というものまで千差万別ですが、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が来年11月に広東省深圳市で開かれるのがひとつのタイミングだというのが官邸の見立てとしてあります。願望も込めてかもしれませんが……。開催の1か月前、今から10か月後をめどにある程度落ち着き始めるのではないかということですね」(同)

 首脳会議の主催国として中国も節度を持った行動を取るだろうとの考え方だが、それが終わればまた対日威嚇・威圧が再開するのかはもちろん現段階で見通すことはできない。

 高市氏の靖国神社参拝、閣僚の言動などでさらに局面が変わることも十分ありえる。しかも高市氏を支持するコア層は必ずしも早期の解決を求めていない。首相は極めて難しい課題に取り組み続けなければならないのである。

デイリー新潮編集部

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