「THE W」はすっかりジリ貧で…令和のNo.1女芸人は阿佐ヶ谷姉妹 ありがちな“自虐”“承認欲求”ナシという強み

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 13日、9回目となった「女芸人No.1決定戦 THE W 2025」(日本テレビ系)が放送され、ニッチェが初優勝を飾った。これをうけ、第2回でチャンピオンとなった阿佐ヶ谷姉妹はSNSで以下のようにコメントした。

《ニッチェさんおめでとうございます お2人ならではの笑いと人間味と気迫あふれるコント、圧巻でした! 紺野ぶるまさん、エルフさん、ご自身のカラーと技量をしっかり落とし込んだネタ、流石でした! もめんとさん電気ジュースさんとんでもあやさんパンツ万博さんヤメピさん、見事な戦いぶり素敵でした》

 ニッチェを称え、最終決戦まで残った2組をねぎらい、ファイナリスト全員にも言及……。2代目女王の貫録か、おばさんキャラからくる気遣いか、あまりにもパーフェクトな「阿佐ヶ谷姉妹」の言葉だった。

「そういう阿佐ヶ谷姉妹こそが、今年もっとも活躍した女芸人だと思います」

 こう評したのは、芸能ジャーナリストの宝泉薫さんだ。

「ばけばけ」で今年の顔に

 実際、いま放送中のNHK朝ドラ「ばけばけ」では狂言回し役となる「蛇」を姉・渡辺江里子(53)が、「蛙」を妹・木村美穂(52)が演じており、その流れから紅白への出演も期待されている。「蛇です」「蛙です」という2人の声で朝が来たと感じるといった声もあり、すっかり「今年の朝の顔」として定着したようだ。

 2021年には「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」という、2人が主人公のドラマ(姉妹役を木村多江、安東玉恵が演じた)が制作されており、Eテレでは現在も「阿佐ヶ谷アパートメント」という冠番組もある。NHKとの蜜月関係はそもそも長いといえるが……。宝泉さんも絶賛する。
 
「『ばけばけ』のキャスティングはとても秀逸でしたね。今でこそ有名俳優が多く出演し、メインキャストがすっかり定着しましたが、スタート当初はヒロイン・高石あかりも夫役のトミー・バストウも視聴者になじみが薄かった。しかも朝ドラなのに、暗い夜のシーンが多く、時代劇で“怪異”がテーマ。なんだか入りづらい空気の中、阿佐ヶ谷姉妹の“ほのぼのとした話し方と耳ざわりのいい声”は、視聴者に安心感を与える存在だったと思います」(宝泉さん、以下同)

 導入として最適だったという。また「蛇と蛙」という、「人でないもの」であった点も物語のいいアクセントになっているとも。

「物語の中で、彼女たちは“オバサンの妖精”。『ゲゲゲの女房』で、“貧乏神”を演じた元・ラーメンズ・片桐仁のように、“人と異界をつなぐ存在”です。感情移入しにくい世界観を、“近所のおばさんノリ”、『家政婦は見た!』の市原悦子的な役割で、メインキャストが視聴者になじむまでを上手につないでくれたと思います。暗いトーンも明るくする緩衝材的な役割もありますね」

次ページ:最強の女芸人

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。