「THE W」はすっかりジリ貧で…令和のNo.1女芸人は阿佐ヶ谷姉妹 ありがちな“自虐”“承認欲求”ナシという強み

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最強の女芸人

 さて、今回の「W」を見て、どんどん大会がジリ貧になってきた、と感じたという宝泉さん。

「粗品や友近のコメントもきついようでしたが、まさに、という内容。若手女芸人の全体レベルが下がっているので、阿佐ヶ谷姉妹の存在や安定感が突き抜けたものになってきたように感じます」

 そして阿佐ヶ谷姉妹が「現代最強の女芸人」となる構造的な要因がある、と宝泉さんは言う。

「令和の今、女芸人として人々を笑わせることはなかなか難しい。“デブ”や“ブス”といった言葉がNGとなり、『ハリセンボン』近藤春奈のような自虐ネタもダメ。また他者からの“いじり”も“いじめ”と捉えられる。『ぼる塾』や『3時のヒロイン』にいる太った女子キャラは、いじられないことの不自然さを感じさせる、“立ち位置がよくわからない人たち”になってきています」

 また渡辺直美や、ゆりやんレトリィバァなどは逆に「ボディ・ポジティブ」という言葉のもと、お笑いとは違うフェーズを目指してしまっている。やす子はコンプレックスが多そうで笑うに笑えず、やすこいじめで活動休止中のフワちゃんはプライドが高く「笑われているのではなく、笑わせている」という自意識を感じ、笑うポイントがわからない……。

「人を傷つけない笑い、というものが数年前に流行りましたが、やはり難しさがあり、それを売りにする芸人は失速しました。自らの容姿を貶めることもなく、女性性をどう扱うかが女芸人の難しさだと思います。その点、阿佐ヶ谷姉妹の強みは“おばさん”が持ち味であること。おばさんは自虐性が低い。おばさんは女性なら誰もがなるもの、なにしろ“さん付け”。敬称がついているので尊いのです(笑)」

 だとすれば、いとうあさこやオアシズ・大久保佳代子らも似たポジションにいるのではないだろうか。

「その2人がバラエティー番組で“最近ババアって誰も言ってくれないのが困る”と言っていました。“ババアいじり”をされても変な雰囲気にさせない自信があるのに、周りがいじってくれないことで、自らの“お笑いの型”を封印されている状態。やはり自分が売れた型というのは大事ですから」

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