「浮気相手に会ってもらいたい」義父の頼みに嫌とはいえず…結果、40歳夫は誰にも言えない秘密を抱えるハメに
【前後編の後編/前編を読む】駅でひと目惚れ、スピード結婚したはずが…40歳夫が「おかしくなった」始まりは妻の複雑な父娘関係
偶然の出会いによって中本翔一郎さん(40歳・仮名=以下同)が一目ぼれしたのは、27歳の時。3歳年上の美緒さんと、交際からわずか半年で婚姻届けを提出した。幼い時に両親が離婚し父と暮らしていた美緒さんは、中学校に上がる頃に、若い「新しいお母さん」が家にやってきて、反発を覚えたという。「美緒も傷ついていたと思う」と打ち明ける義父に、翔一郎さんが「美緒も義父さんの気持ちを分かっていると思います」と告げると、義父は涙目になっていた。だが、そんな義父に事件が起こる――。
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【前編を読む】駅でひと目惚れ、スピード結婚したはずが…40歳夫が「おかしくなった」始まりは妻の複雑な父娘関係
結婚して3年目、翔一郎さんと美緒さん夫妻に娘が生まれた。子どもをもって改めて、美緒さんは「両親がなぜ離婚したのか」を考え始めたようだった。
「美緒の中では両親の離婚が心の問題として解決していなかったんでしょうね。留学から帰国後、実母に会ったことがあるそうですが、彼女としては納得のいく再会ではなかったみたいで。僕は、自分が親になったのだから、もう自分と親との関係なんてどうでもいいじゃないかと思っていましたが、彼女にとってはむしろ複雑な思いが再燃してしまったようです」
翔一郎さんはそんな美緒さんを支えながら、なんとか楽しい家庭を作ろうと努力した。美緒さんも、産休が終わると仕事に復帰、日常の忙しさに追われてむしろ、よけいなことは考えないようになっていった。
義父に事件勃発
「娘が小学校に入った2年前、突然、義父に事件が勃発しました」
なんと義父の不倫が発覚したのだという。美緒さんから聞いたときは、驚くと同時に、「あり得ないことではないととっさに思った」と翔一郎さんは言う。
「継母が泣きながら美緒に電話をかけてきたそうです。美緒は父がそんなことをするなんてと怒りながらも、少しだけ愉快そうに見えました。父を盗られた美緒にとっては、父の継母への裏切りがうれしかったのかもしれない。僕はそんなふうに意地悪な見方をしていました。義父は70歳になりますが、まだまだ元気だし優しいし、背が高くて筋肉もしっかりしているから見た目もかっこいいんですよ。あれならモテるはずだと同性から見ても思います」
義父の相手はバーのママだと聞いて、「遊びだったんだろう」と翔一郎さんは思った。連絡をして飲みに誘ってみると、義父は待っていたとばかりに飛んできた。
「バレるとは思わなかったなあ、いやあ、面目ないと義父は恥ずかしそうでした。いろいろ話をしていたら、なんと子どもまでいるという。『バーのママだと聞いて、みんな遊びだろうと思っているようだけど、それは職業差別というものだ』と妙なところで立腹しているのが義父らしかった。子どもは生まれてすぐ認知しているそうだから戸籍には書いてあるけど、誰も戸籍をとらなかったんだなあと不思議そうに言っているのもちょっと笑ってしまいました。もう10年にもなるそうで、そこまでいけばもうひとつの家庭みたいなもの、今さら別れる切れるという関係ではないんだよねと彼は言いました。子どもの学費くらいは出しているけど生活のめんどうを見ているわけではない、彼女は自立した人だからという言い方に、義父の彼女への敬意が伝わってきました」
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