「誰に言ってんねん、コラー!」…“星のまち”を揺るがす壮絶パワハラ問題 内部通報はなぜ1年以上も放置されたか

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Xという人物

 パワハラを行った加害者Xは、市役所の重要なポストに就く幹部職員だ。企画系部署の次長でまちづくり系部署の次長も兼務している。これまで周りを権力者で囲い、周辺の職員には口利きをしてやったと恩を売り、パワハラを繰り返してきたという。

「交野市に2人いる副市長のうちの1人、そして総務部長、企画系部署の部長とズブズブの関係です。Xが所属するもう1つの部署であるまちづくり系部署の部長も、Xの横暴な言動を注意するどころか黙認している状態ですね」(市関係者)

 また、ある関係者もこう話す。

「頭の上に降ってくるもの、下から来るものに対して庇ってくれる副市長、人事権を持ち、処分を甘くしてくれる同期の総務部長、自分に有利な財政運営をしてくれる企画財政部長。Xはこの3人にガードされてるような状態です。何かがあっても自分は守ってもらえるとタカをくくってる」

 Xは前々市長(中田市長)時代は全く評価されていなかったが、前市長(黒田市長)に代わると、黒田市長にすり寄り、自分の座布団を上げてもらい重要な政策のポストに就く。

 黒田市長着任後、市は新しい学校の整備事業と並行して市役所の新庁舎の整備事業が進められていた。Xは新庁舎整備事業に関与していたが、当初の見込みで35億円とされていた建設費用は、100億円かかっても建てられるか分からない状態に。法規制もクリアできないなどの失態を繰り返し、結局その新庁舎整備事業はストップした。

「その一方で、順調に進む他の部署の新しい学校整備事業を目の敵にするようになり、『新しい学校の整備事業で資金を使い過ぎたから自分のところに回ってこず頓挫したんだ』などと言いがかりをつけ、その相手の仕事を妨害することもありました」(市関係者)

「元々こういう気質だったと聞いています。係員(一般職)の時から気に入らない職員には、上司であろうが部下であろうが、暴言を吐き胸ぐらをつかむ。暴行を受けている人は過去に何人もいます」(別の市関係者)

 今回内部告発があったのは9件だが、この告発よりもずっと前からXによるパワハラはあったという。関係者が証言する。

「聞くところによると、Xが一般職員の頃から、上司の課長や課長代理をもとことん追い詰め病休にしてしまうような暴言恫喝があったと。Xがある職員を突き飛ばしたことで、その先のキャビネットのガラスにぶつかって、そのガラスが割れたこともあったそうです」

「なかには親子揃って暴言・暴行の被害に遭った職員も。親はXの元上司。そのお子さんがアルバイトで来ていたんですが、そのお子さんを暴行した事件もあったと。また、宴席で気に入らないアルバイトの言動に腹を立て、店の外に引きずり出して暴行したことも」

「早期退職したある職員がいるのですが、退職理由として『実家のご両親の介護が忙しくなったし、自分の家族のことに専念したい』と報告したようですが、本当はXのパワハラが原因ではないかと言われています。その後数年は勤務されましたが。Xによる暴行・パワハラ被害者は多いですよ。メンタルを病んで1年間休職を余儀なくされた職員が今現役でまだ残っていますし」

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