「誰に言ってんねん、コラー!」…“星のまち”を揺るがす壮絶パワハラ問題 内部通報はなぜ1年以上も放置されたか

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後任も遭い続けたパワハラ

 その後、Aは別部署へ異動になり、後任にBが就くが、XはこのBに対してもパワハラを続けた。

 2023年4月、Bは今後の事業スケジュールを説明するために、同じ課の職員1名を連れて、Xのもとを訪問。出席者が複数いるなかで、Xは前任者であるAの行為が間違いだったことをBに認めさせようと執拗に追及。Xの言い分に逆らった場合、事業を妨害する主旨の発言を繰り返し、威圧的な口調で暴言を吐いたという。

 前出の関係者は続けてこう語る。

「XはBに対しても書類の不備を激しく叱責したんです。ただ、BもAと同じくこの行政手続き事務を担当する部署に長年勤務しており、Xの指導が行政権限を大きく逸脱していると判断したんでしょう。前任者のAに非があると主張するXに同調しなかった。これに逆上したXは、会議室からBを追い出したそうです」

 2か月後、不在により電話の折り返しが遅くなったBに対し、Xは内線電話で激しく叱責し暴言を繰り返したうえ、この日も4月の件について改めて謝罪を強要。回答に苦しんだBが言葉に詰まり、間を取るように「うーん」と発したところ、Xが怒号を上げる。冒頭で紹介した記者会見で流されたパワハラ音声は、このBに対するものだ。

X「『うん』って誰に言ってんねんコラー!!! おい、おどれ口の利き方気い付けえよコラ。おい。誰に抜かしとんねんコラ」
B「…はい」
X「お前対等か? 俺と」
B「いいえ、違います」
X「誰に向かって『うん』言うてんねん、お前。口の使い方気付けろや」

 翌日、Xのもとを訪れたところ、XはBに「まず謝れ、お前のために時間取って俺は待ってんねん。まず謝らんか、お前失礼やろ」と謝罪を強要。引き続き前任者Aを「バカなA」と侮辱。Bに対しても「ボケ、おい答えろよ、なめとんのか」などと恫喝を続け、さらには「自分の責任で全部やると一筆書いて持って来い」と、念書の作成を強要した。

X:「(書類を)チェックしたんか? ……『した』って言ったよな? それやったら一筆書いて持って来い。なあ。『うちで全部確認しますので、今後このことに関して後々何かあった時には、私が全部一切の責任を負います』って一筆書いて持って来い」

 その後もBを「お前みたいに仕事ができひんのに偉そうにするヤツがおるから公務員がバカにされる」、「人を代えるか処分した方がええ」など、人前で人格を否定。BはXから言いたいことがないか問われ、「特にない」と回答。すると

「特にないんや、こんだけ言われても何も感じてへんねんな。普通は言うねん。『これからは真面目に肝に銘じてやっていきます、ご指摘ありがとうございました』って」

 最後には「特にないんやったらお前だけ帰れ」と、打ち合わせスペースから追い出した。

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