「世界タイトルがアメリカ大陸を離れることを歓迎して…」 大島寛がフリスビー世界チャンピオンになった“運命の瞬間”(小林信也)
今回は僕の話から始める。大学に合格してすぐ野球部の合宿所に呼ばれ暮らし始めた。が、1週間で逃げた。次の目標も見つけられずにいた2年の初夏、テレビで初めてフリスビーを見た。
(あの円盤をパスしてシュートする新しい団体競技ができるんじゃないか)
数日後、突然ひらめいた。これを形にしたら、新しい競技の発明者になれる!
アメリカ育ちの級友がフリスビーを持って来て大学構内で投げた。意外と難しく、右にヘナヘナ曲がった。友人がスナップを利かせて投げる円盤はフワフワと不思議な浮遊感を醸して胸に届いた。...

