伊東市長選「田久保氏ゾンビ復活」は厳しいか 「ラ・サール→慶應」新人候補に票を食われて3位争い 市職員は「再選挙だけは勘弁して」

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 静岡県伊東市長選がきょう(12月13日)投開票を迎える。注目は「19.2秒」という流行語を産み出し、伊東市の“汚名”を全国に広めた田久保眞紀前市長(55)が「ゾンビ復活」するか否か。はたして審判はいかにーー。

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「陰謀論」と論破されるも…

 12月7日の選挙戦初日、田久保氏はメガソーラーの計画地だった山を望む八幡野港で第一声をあげた。

「メガソーラーの計画はこのままあらぬ方向に進むかもしれない。今だからこそはっきり言う。このままではあの山が危ない。この海が危ない。それを防ぐことができるのは私しかいない。メガソーラーを止めるのは私の命題だ!」

 涙を見せながらの渾身の演説だったが、田久保氏と対立してきた青木敬博伊東市議会副議長はこう呆れる。

「完全なる陰謀論です。彼女はメガソーラー計画が『水面下で動いている』とずっと言い続けていますが、全く動いていないし、動く目処も立っていない。図書館建設問題もそうですが、彼女は決まって、我々が持ってもない利権を持っていると繰り返す。仮想敵を作って人々を惑わす活動家の手法です」

 だがこの崖っぷちの局面で、もう田久保氏の”悪あがき”は効果が出ていないようだ。言うまでもなく、「利権と戦う前に己の学歴詐称を説明せよ」という声の方がはるかに大きいからである。

かつての支持者たちも見放している

 今回の市長選には伊東市に住んだこともない、“よそ者”も複数参戦。9人が乱立する戦いになっているが、田久保氏は2人の有力候補に引き離されつつあるという。

「上位争いを繰り広げているのは、元市長の小野達也氏(62、無所属、自民推薦)と前市議の新人、杉本憲也氏(43、無所属、国民推薦)です。大接戦となっていますが、市民の間では小野元市長に対しての反発もあり、今のところ杉本氏がややリードしている状態です」(地元記者)

 田久保氏はこの2人だけでなく、同じ地盤から出馬した新人候補の黒坪則之氏(64、無所属)からの追い上げにも苦しめられている。

「黒坪氏は中高がラ・サール、大学が慶應という学歴で、IT技術会社を経営後、数年前に移住してきた市民です。地盤としているのは、移住者が多い伊豆高原。伊豆高原は元々田久保氏が地盤としていた地域で、田久保氏は自分の支持層を黒坪氏にかなり取られてしまっているのです。移住者には学歴が比較的な高めな富裕層が多く、東洋大学中退の学歴を詐称していた田久保氏に愛想を尽かしている人が多い」(同)

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