高市「台湾有事」答弁にソワソワしていた身内の肩書は

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エスカレーションを強める中国

 高市早苗首相の「台湾有事」を巡る国会答弁から1ヵ月。それから反応をどんどんエスカレートさせる中国。日中の緊張状態は変わらないままだが、高市氏の強い決意が垣間見える瞬間があったという。

 中国はエスカレーションの度合いを強め、6日には中国軍の戦闘機が自衛隊機にレーダー照射を行った。高市首相は「極めて残念だ」「中国側には強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れをおこなった」と述べた。国連を舞台に日中間の応酬も続いているが、まずはこれまでを振り返っておこう。

 高市氏は11月7日の衆院予算委員会で、中国による台湾の海上封鎖が発生した場合、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースだ」と答弁。台湾有事は日本が集団的自衛権(他国の防衛のために武力を行使すること)を行使できうる状況にあると認めたことになる。
 
 存立危機事態は安全保障関連法(2015年)で新たに導入された言葉。日本が外国から直接の攻撃にさらされていなくても、日本と密接な関係にある他国が攻撃され、これにより日本の存立(国民の生命、自由、幸福追求の権利など)が脅かされる明白な危険がある状態を指す。

最もソワソワしていたのは

 これまでの政府答弁は「個別具体的な状況に即し情報を総合して判断することとなる」といったもので、台湾有事が存立危機事態に該当するかの判断については明確にせず、”曖昧路線戦略”を取ってきた。高市氏はその後も発言の撤回や取り消しに応じていない。

 そもそも高市発言は武力行使を公言したわけではなく、野党側の「仮の話」につきあって「可能性」を示したに過ぎない。

「高市氏に“間違ったことを言った”との認識は全くありませんが、この件について周辺に語ることを避けているのが現状です。関係する事務担当秘書官ら側近はみな高市氏同様の考え方です。ただ、高市氏のお気に入りの防衛省出身の有田純秘書官が最もソワソワしているとのことです。もう少し違った対応があったのではないかという考えからとされています」

 と、政治部デスク。実のところ、近隣国との緊張感が高まることをもっとも「自分事」として捉えるのは防衛省なのは間違いない。何らかのアクシデントで死者を出すこともあり得るからだ。

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