今年8月に「習近平国家主席」の警護部隊と「人民解放軍」のエリート部隊が“衝突”か…専門家は「9月にはクーデター寸前の動き」も指摘

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 中国人民解放軍ロケット軍は11月23日、通信アプリのWeChat(微信=ウィーチャット)に「もし戦争が今日勃発したら、これが答えだ」と題する動画を公開した。男性兵士の顔がアップになり、カメラに向かって「もし戦争が今日起きたら、これがオレの答えだ」と叫ぶ。多数の兵士が銃を整備し、装甲車に乗りこむ様子が映し出されると、攻撃ヘリコプター、戦車、戦闘機、大陸間弾道ミサイル、空母など、人民解放軍の最新兵器が次から次へと映し出された。(全2回の第1回)

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 ロケット軍の動画は「どの国と戦争するのか」という点については何も触れていない。とはいえ、高市早苗首相が11月7日、「中国が台湾を海上封鎖した場合、存立危機事態になり得る」と衆院予算委員会で答弁したことに中国は猛反発している。日本を“脅迫”するために製作・配信した動画であることは間違いないだろう。担当記者が言う。

「習近平国家主席は2022年10月、共産党大会で台湾統一を目標に掲げ、『武力行使放棄を約束しない』と明言しました。つまり台湾への軍事侵攻を肯定したわけです。昨年10月には空母『遼寧』を筆頭に駆逐艦、護衛艦、100機以上の航空機を投入して台湾空海域を包囲する演習を実施しました。人民解放軍の陸海空軍とロケット軍は台湾北部と南部の主要港を封鎖し、目標を攻撃するというシナリオで訓練を行ったのです」

 台湾を威嚇する大規模な軍事演習、日本を殲滅するぞと言わんばかりの動画──習首席の“台湾侵攻”の決心は寸分も揺らぐことなく、その圧倒的な権力で人民解放軍を掌握しているという印象がより強まる。

 ところが習主席と人民解放軍の関係は決して“一枚岩”ではないという分析があるのだ。それどころか、むしろ人民解放軍の一部は“反習近平”の動きを強めており、何と今年8月には“武力衝突”も起きたという。

軍と警察が軍事衝突

 田中三郎氏は中国軍事問題の研究家として知られ、月刊誌「軍事研究」に発表する論文は常に高い評価を受けている。

 防衛大学校から陸上自衛隊に進み、一貫して中国人民解放軍の調査、研究を積み重ねてきた。中国の専門家だけあり、自衛隊から外務省に出向した経験も持つ。

 田中氏は「元中国共産党員で、日本に帰化したジャーナリスト・鳴霞さんが主幹を務める『月刊中国』の報道によると、8月9日の夜明けに11両の救急車が出動し、北京中心部の中南海地域に入ったことが分かったのです」と言う。

「中南海地域といえば故宮や天安門広場のすぐ近くに位置し、中国共産党や政府の中枢施設が集まっています。高さ6メートルあまりの赤い壁で囲まれており、一般人の立ち入りは制限されています。なぜそれほど多くの救急車が中南海の中に駆けつけたのか、私も独自に情報を収集しました。その結果、中南海の中で中国人民解放軍の第82集団軍の一部と、習主席を警護する特別勤務部隊(党中央弁公庁警衛局部隊)による武力衝突が発生したことは間違いないようです。双方合わせて5000人程度の規模で、原因は両者の間で警備に関わる主管問題があったと見られています。要するに軍隊と警察が交戦状態に入ったわけで、軍に警察が勝てるはずがありません。しかも第82集団軍は首都・北京を防衛する“エリート近衛軍”です。機関銃が発射され、100人以上の死傷者が出たとの情報ですが、その大半は党中央弁公庁警衛局部隊の隊員だと考えられます」

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