「老人ホーム」入居直前…89年師走に“鉄道踏切での最期”を選択 80歳男性はなぜ「献身的な息子夫妻」に心を閉ざしたのか

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誰にでも直面する可能性がある“事情”

 1989年の師走、東京郊外の踏切で80歳の男性が自ら死を選んだ。伴侶を亡くした後、娘夫妻との同居を経て長男夫妻のもとで暮らしていたが、近く老人ホームに入居する予定だったという。となれば、死を選んだ理由は、家庭内不和や自らの行く末に苦悩した結果と考えるのが一般的だ。大手紙は「八十歳の悲観」と報じ、巷では「家庭内でつまはじきにされたのか」と想像する向きもあった。

 一方で近隣住民は「おじいちゃんとの間にトラブルがあったなんて信じられない」と口を揃えた。しかも長男一家は比較的裕福で、本来なら自治体が老人ホームへの入居許可を出さないケースだったという。...

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