「高市官邸は外交の“ド素人”」 イラン攻撃でも「危機感がない」「邦人保護も外務省任せ」と批判の声が

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「健康な成人の駐在員は、なかなか乗せてもらえない」

 アメリカとイスラエルによる狂気のイラン攻撃は決して対岸の火事ではない。中東諸国には帰国を望む多数の邦人が取り残され、原油価格は乱高下。日本経済への影響も計り知れないが、外交と防衛が“ド素人”という高市政権の内幕を見れば不安は尽きないのだ。

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 カタールの首都ドーハに昨年から仕事で滞在中だった女性(30代)に話を聞いた。

「イランから飛来するミサイルを迎撃する時に起きる、ドンドンと太鼓をたたいたような音と窓の揺れがひどかった。攻撃から1週間が過ぎても昼、夕方、深夜と1日3回、迎撃音が聞こえる状態で。なんとしても、脱出したいと思いました」

 だが、帰国のすべは簡単には見つからなかったという。

「日本政府のチャーター便は子どもや高齢者、短期滞在の旅行者が優先されているようです。私たちのような健康な成人の駐在員は、なかなか乗せてもらえないという話です。特に最初の方の便については、カタール在住の日本人で乳幼児のお子さんがいる駐在員も外れたと聞きました。旅行者しか抽選に当たらなかったのかもしれません」(同)

 結局、彼女は3月9日、フライトを再開したカタール航空のオーストラリア・パース行きの航空券を幸運にも入手。自力で中東を脱出することに成功した。

「危機感がなさ過ぎる」

 このような切迫した状況の中、高市早苗首相(65)は、削除済みのHPのコラム(2013年5月24日更新)で、かつて〈私には「海外に滞在する日本人の生命を守る為に最善を尽くすことも、政府の重要な責務だ」という強い思いがあり〉と記していた。また、3月2日の衆院予算委員会でも、「邦人保護や状況把握に万全を期す」と答弁している。だが、日本政府がUAEとオマーンに滞在する邦人の退避支援としてチャーター便を派遣すると発表したのは開戦の6日後、3月6日になってからのことだった。

「他国は早い段階で、チャーター機や軍用機を使った自国民の退避を進めています。例えば英国は、6日朝にロンドンに到着した第1便にはじまり、9日までに計3便の政府チャーター機を飛ばした。それと比べても、日本の初動は明らかに遅い。邦人保護でリーダーシップを発揮していない今の高市首相は、コラムで言っていたことと、現実にやっていることが違うと言われても仕方ないですね」(国際部記者)

 実際、首相は2月28日に攻撃情報に接してからも、石川県知事選の応援を優先して民間機で石川県を訪問している。

 政治部デスクが言う。

「機上では離着陸時に緊急の連絡が取れません。本人は“飛行機に乗るか迷った”と釈明していますが、危機感がなさ過ぎます。彼女は、外交や防衛で要職に就いたことがなく、この分野は門外漢。素人同然であることが露呈してしまいました。連日、官邸で対応会議を開いていてもおかしくないのに、本人は相変わらず関係者と連絡を密に取ろうともしていません」

 例えば、4日の新聞の「首相動静」欄を見ると、

〈午前11時55分、公邸発。同56分、官邸着。午後5時59分、官邸発。同6時、公邸着〉

 と、あるだけなのだ。

「だいたい、官邸の執務室の奥に設えてある部屋にこもっているといいます。この有事にあって、わずか3行しかない首相動静は異様ですね」(同)

「攻撃から数日たっても官邸内の空気はのんびりしたもの」

 現在、官邸内で首相と直接、会話できる側近は木原稔官房長官(56)や飯田祐二首相秘書官(62)ら数えるほどしかいないという。しかも、その彼らも邦人保護の進め方について、首相に諫言を呈した形跡はない。

「攻撃から数日たっても官邸内の空気はのんびりしたもので、政府一丸となって邦人保護に当たろうという気運は盛り上がっていなかった。基本的には外務省にお任せという雰囲気だったのです」(前出のデスク)

 3月12日発売の「週刊新潮」では、イラン攻撃に対する在日イラン人の本音や、原油価格への影響などと併せて詳しく報じる。

週刊新潮 2026年3月19日号掲載

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