2025年パ・リーグ6球団「ルーキー採点簿」 日本一のソフトバンクが“最低評価”になった理由とは

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 今年も師走となり、各球団は来季に向けて戦力整備を進めているが、今年のルーキーはどのように評価できるのだろうか。即戦力と将来性の両面から各球団を診断したい。前回のセ・リーグ編に続き、今回はパ・リーグ編をお送りする。【西尾典文/野球ライター】

ここまで精神的に安定している選手は珍しい

【2025年ルーキー採点】
西武 総合:A 即戦力:A 将来性:A

 今年のパ・リーグは、3人のルーキーが一軍で100安打以上を達成するなど、野手の活躍が目立った。なかでも、総合的に見て、最も順調だったチームは西武だ。

 2位の渡部聖弥(大阪商業大)は、開幕からレフトのレギュラーに定着して安打を量産した。ケガで一時離脱するも、夏場以降は本塁打と長打を増やし、109試合の出場で110安打、12本塁打、43打点、打率.259と、即戦力の期待に十分応えた。本塁打と打点はいずれもチーム2位である。

 このほかの選手は、二軍で結果を残している。育成2位の佐藤太陽(神奈川大)がチーム2位タイとなる76安打を放ち、打率.285をマークし、7月25日に支配下に昇格した。1位の斎藤大翔(金沢)は、30試合に出場し、打率.290と結果を残した。5位の篠原響(福井工業大学福井)が、チームトップタイとなる8勝を挙げた。また、育成4位の佐藤爽(星槎道都大)は4勝1敗、防御率2.05と好成績を残しており、来年以降の飛躍が楽しみな選手が多くそろっている。

【2025年ルーキー採点】
楽天 総合:A 即戦力:A 将来性:C
ロッテ 総合:A 即戦力:A 将来性:C

 西武に続くチームは、楽天とロッテだ。楽天は、昨年のドラフトで5球団が競合した宗山塁(明治大)は、開幕からショートのレギュラーの座を獲得した。一度も一軍登録を抹消されることなく、122試合に出場し112安打、3本塁打、27打点、打率.260の成績を残し、ベストナインに輝いた。ルーキーでショートのベストナインを受賞したのは、1981年の西武・石毛宏典以来であり、歴史に残る大活躍だった。

 宗山の凄さについて、他球団のスカウトはこう話している。

「宗山は、大学時代からあらゆる面で安定していますね。打てるボールを確実にヒットにしますし、守備では初歩的なミスが少ない。感情を表に出すこともなく、ここまで精神的に安定している選手は本当に珍しい。技術の高さはもちろんですが、プロの長いシーズンで結果を残すことができたのは、こうした部分が大きいと思います」

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