「2万円給付は富裕層が得をする形に」「お米券で儲かるのはJA」 高市政権“21兆円経済対策”が「現金給付のほうがマシ」と言われる理由
「現金を5万円とか配ってくれないと……」
他方、米と並んで高騰が続いていたガソリン価格については、今月末で暫定税率が廃止され、それまでの移行措置として補助金が引き上げられる運びとなった。だが、都内にあるガソリンスタンド「田中商事西綾瀬給油所」の三枝直樹店長に尋ねたところ、
「原油の仕入れ値自体が高騰していますから、暫定税率が廃止されても、単純に25円下がるわけではありません。税金や補助金と仕入れコストとは別なので、円安を是正してもらわないと根本的な解決にはならないですよ」
そう話した上で、
「物価が上がり困っている庶民と、政治家との温度差を感じます。お米券に3000円とか雀の涙でしょう。現金を5万円とか配ってくれないと意味がありません」
石破政権下では選挙対策のバラマキと批判された「現金給付」の方が、まだマシと言われる始末なのだ。
チマチマした対策
「9カ月連続で実質賃金が下がる中、庶民の生活実感からみても、あまりにチマチマした対策が目につきます。今回の補正予算案で物価高が何とかなるという実感が乏しい。高市政権は“やっている感”を出そうとしているだけでは」
と指摘するのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏。
「個別に見ても、お米券や商品券など目玉とされている政策は独自性がなく、効果が薄いものばかりです。エアコンの買い替え支援も東京都がやっていたことのまねですし、そもそも新しく買うのに最大8000円程度の支援では全然足りない。量販店で値切った方が安くなるでしょう。子育て世帯支援の2万円給付についても、統計では子どもをたくさん抱えているのは年収の高い世帯が多い。貧しい家庭は余裕がなくて子どもが少ない。この支援策は所得制限がないので富裕層が得をする形になりかねません」
12月4日発売の「週刊新潮」では、財務省の提案を突き返して決めたという予算案決定の背景と、識者らが指摘するその問題点について報じる。
[2/2ページ]


