「騒音」や「ごみトラブル」が多発! 東京23区の“民泊集中地域”を地図で見てみると…浮かび上がった「4大エリア」とは

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23区内で特に民泊が集中しているエリアがあった

 では、実際に東京23区内ではいったいどれぐらいの民泊があるのだろうか。23区別で届出件数をまとめたのが次図だ。

 2025年11月14日現在、最も多いのは先に触れた新宿区で3506件。次いで、墨田区(1950件)が多く、豊島区(1827件)、渋谷区(1422件)、台東区(1299件)と続く。

 面積の差を補正する意味で、「1平方キロメートルあたり」の件数で見てみると、順位はやや変わる。

 新宿区が192件と密度でも突出しており、ほかに100件を超えるのは墨田区(142件)、豊島区(140件)、台東区(129件)となっている。一方で渋谷区は94件にとどまり、面積当たりでは新宿区の半数程度となっている。

 興味深いのはここからである。1平方キロメートル当たりの密度で比較すると、特区民泊が集中する大阪市より、新宿区や渋谷区の民泊密度のほうが高いことが分かったのだ(次図)。

 つまり、東京23区の民泊は新宿区、豊島区、墨田区、台東区の4区に極端に偏っているのである。次は、その中でも特に民泊が集中するエリアを地図で確認してみよう。

民泊が集中する「特定地域」を地図で見てわかったこと

 23各区はホームページで民泊の所在地を公開している。これを丁目単位で集計し、さらに16万平方メートル(400m×400m)あたりの件数に換算して地図化した(次図)。

「16万平方メートルあたり」としたのは、東京23区の丁目の平均面積(約18万平方メートル)に近いからである。

 地図で見ると、民泊が集中する「特定地域」が、より鮮明に浮かび上がる。

 新宿区では、北部から北東部にかけて広く分布。豊島区では池袋駅北側から北大塚・駒込の間に東西方向の帯状の分布がある。さらに、台東区と墨田区にまたがる広い地域にも分布が集中している。

 では、4区の詳細を順に見ていく。

新宿区には学生街・多文化居住エリアに民泊が集中

 新宿区北部~北東部(大久保・百人町・高田馬場・早稲田・神楽坂周辺)は学生街と外国人居住エリアが重なる地域である。

 特に新大久保の裏側や高田馬場では、民泊が多い。歌舞伎町へのアクセスが良い立地で需要が高く、苦情も集中している。

豊島区では北西部~北東部に「低層住宅地ゾーン」が広がる

 池袋駅北側から北大塚・駒込の間に広がる区域は、木造アパートや旧賃貸マンションが密集する下町住宅街である。

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