日テレ「with MUSIC」に“終了”報道…いまや“オワコン”扱いの音楽番組が“ドル箱”だった時代を振り返る
新たなスタイルも生まれたが…
そんな中、気概を見せたのが、85年入社で「ヒットスタジオ」のADを務め、名プロデューサーとなる、きくち伸氏(63)が音楽班を率いていたフジだった。
「菊地氏が手がけたのは、ダウンタウンをMCに据え『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(94年10月から2012年12月)、DOMOTO(元KinKi Kids)をMCに据えた『LOVE LOVE あいしてる』(96年10月から01年3月)、『堂本兄弟』『新堂本兄弟』(01年4月から14年9月)など、“バラエティーの要素を存分に取り入れた音楽番組”という新たなジャンルを確立しました。もともと音楽が大好きで、まだ評価の高くないタレント・歌手・グループの才能を見抜く眼にすぐれており、多くの歌手とも親交がありました。そのため驚くようなブッキングをすることもしばしば、さらに、『自分の番組では口パク禁止』と公言するなど、他局の音楽番組とは一線を画していました。しかし、そんなきくち氏も17年7月に局を去っています」(フジテレビ関係者)
「with MUSIC」が終了した場合、GP帯では孤軍奮闘となりそうな「Mステ」だが、直近11月14日の放送の世帯視聴率は5.1%。同時間帯の民放キー局の番組では最下位だった。
「おおみそかの紅白、その前日のレコ大の生放送ですら視聴率の下落に歯止めがかからない状態です。しかも、番組に出演するよりも、TikTokでバズった方が曲がはやるのが現状です。レギュラー放送の音楽番組はかつてのような需要がなくなってしまいました。今後、各局は夏と冬の音楽特番がメインで、新たなレギュラー音楽番組は企画を通すのも難しくなるのでは」(先の音楽担当記者)




