「付き合いますか?」「どうする? 付き合います?」 強過ぎる“世界王者カップル”が誕生した意外な経緯
人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。
そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。
今回登場していただくのは、9月23日に入籍した、立ち技打撃格闘技「RISE」選手で、キックボクシングと総合格闘技のISKAが認定する世界フライ級王者の大崎一貴さん(29)と、シュートボクシングのISKA世界アトム級王者、MISAKI(本名・森田実沙樹)さん(29)だ。
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【写真を見る】MISAKIさんはクリクリした瞳が印象的 “世界王者カップル”の二人
恋のキューピッド
「格闘技界は狭くて、同じ愛知県育ちなので子どもの頃から知っていました」
とは実沙樹さん。豊橋市内で格闘技ジムを開く父は、一貴さんと3歳下の孔稀さん(現RISEバンタム級王者)の兄弟を「強いよね~」とよく評していた。会場で会うとお互いに「あいさつ程度は交わしていました」。
キューピッド役は一貴さんが所属する「OISHI GYM」現副代表の大石駿介さんだ。2019年春、大石さんが実沙樹さんに彼のことを「こいつまだ誰とも付き合ったことがないんだよ。二人でどっか遊びに行って来いよ」と伝え、それを契機に二人は連絡を取り合うようになった。
「付き合いますか?」
もう一人のキューピッドは、二人の共通のファンの男性。毎試合応援に来ており、その年7月21日の彼女の試合のチケットも買っていたが、タイで一貴さんの試合が決まった。彼女に「行けなくなっちゃった」と“わび”を入れてきた男性は、一貴さんが試合に勝つとタイから電話し、彼と電話を代わった。
彼女は祝意を伝え、「トーナメントで優勝したら東山動物園に連れて行ってください」とお願いした。オッサンのような叫び声で人気のフクロテナガザル「ケイジくん」を見に行きたかったのだそうだ。
だが1回戦の勝利後、決勝戦はハムストリングス筋断裂の重傷を負って敗れた。「人生最大のケガ」で歩けなかったが、回復した後の9月16日、彼は「負けたけど行きましょう」と連れ出してくれた。ただケイジくんは一度も叫ばなかった。
翌週23日もデートし、彼は彼女を車で送る。家の前で「付き合いますか?」。これに彼女も「どうする? 付き合います?」と逆質問。その応酬で交際が始まった。そう聞いて大石さんは、やや驚きつつも「俺のおかげだろ~」と喜んだ。
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