「付き合いますか?」「どうする? 付き合います?」 強過ぎる“世界王者カップル”が誕生した意外な経緯

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逆プロポーズ

 プロポーズは実沙樹さんから。一貴さんの親友夫妻ら3人に協力を仰ぎ、24年9月23日、一貴さんを春日井市の個室居酒屋に連れ出した。二人での食事と思っていた一貴さんだが、個室に入るなり親友らがいることにびっくり。その場で実沙樹さんから「結婚してください」。「はい」と応じた一貴さんの言葉を聞いて3人が「おめでとう!」と花束を差し出した。そう、交際期間・求婚・入籍、すべての日が同じなのだ。

 一貴さんは23年4月にISKA王者に。一方の実沙樹さんはデビュー当時から父に「世界チャンピオンになる。なるまで辞めない」と約束していた。チャンスが訪れたのは入籍3日前の今年9月20日。プレッシャーに圧しつぶされそうになりながら「勝てば一貴くんと同じベルトが巻ける」と念じて見事に勝利。世界王者カップルが誕生した。

 試合予定ありきで、結婚式や新婚旅行は未定だが、「セブ島に行きたい」とは実沙樹さん。格闘技で体を酷使してきたため、子どもを授かるにも本格的に取り組む必要があるようだが、

「二人の子は強そうと周りから言われるけど、私は接近戦の多いファイタースタイルで、試合が終わったらボロボロなので女の子ならやらせたくない。ピアノをやらせたいですね」と笑う。

一貴さんは、「興味を持つスポーツがあればやらせたい。続けることが大事なのでずっと好きでいてくれればうれしい」と未来に目を向ける。技術だけでなく、熱いスピリットで戦ってきた二人の子なら、さまざまな苦境を両親譲りの気概と気迫で乗り越えていきそうである。

週刊新潮 2025年11月27日号掲載

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