「太ってる自分が嫌い」から美の頂点へ コンテスト優勝者が語る“壮絶いじめ”の過去&愛娘に見せたかったモノ
娘にもらった「おもちゃのティアラ」
otoさんがコンテストの存在を知ったのは、2022年、SNS上の友人が出場していたことがきっかけだった。2年連続で娘と一緒に観覧し、「なんて素敵な大会なんだろう」と感動。
だが、「主婦だから」「子どもがいるから」「経済的に厳しい」「そもそも私は人前に立つことが大の苦手」と考え、自分が出場しようとは思わなかったという。
「そんな私の背中を押してくれたのは娘でした。『ママも出てほしい』『ママが出るなら、私が一番に応援する』と強く言ってくれた。その言葉がきっかけで2024年に初挑戦しました」
結果は無冠で終わったが、娘が「ママが一番だったよ」と言って、ステージから降りたotoさんにおもちゃのティアラを頭に乗せてくれた。
2025年は応募を迷ったが、「諦めない母の姿」を見せたい一心で再挑戦。本物のティアラを娘に見せることが、目標だった。
予選を勝ちあがると、21人のファイナリストたちには、本大会に向けレッスンの機会が与えられる。ときにグループレッスンをしたファイナリストたちとはご飯を食べに行くほど親交を深めたが、足を捻挫するトラブルに見舞われ、黙々とウォーキングレッスンするライバルたちを眺めるしかなかったこともあった。
「まったく足が地面につけない時はスピーチやQ&Aを考えたり、少し足が着くようになったら手の表現などを練習したりして過ごしました。歩けるようになっても痛みがあるためヒールは履けず、1人だけ素足で練習したりしました」
自身のチャームポイントを聞くと、otoさんは「笑顔です」と即答した。
「いじめで5年以上、学校で笑うことも声を出すこともできませんでした。勇気を出して笑顔で挨拶をしたあの日から、少しずつ人生が変わりました。だからこそ『笑って生きる』ことの尊さを知っています」
今回はグランプリとともに、Smile賞も受賞した。彼女の笑顔には“生きる強さ”が詰まっている。
人生に悩んでいる人たちへのメッセージを求めると、otoさんはこう語った。
「生きていると、どうにもならない苦しさがあります。だれにも助けを求められないことも。でも、たった一人でもあなたを理解してくれる人がいれば、世界は変わる。もしあなたのそばに今だれもいないなら、私がその一人になります」
そして、こうも続ける。
「美味しいものを食べて『美味しい』と思えること、笑っていられること、それは健康で幸せだから感じる奇跡のようなことです。ピンチは、見方を変えればチャンス。世界は広い。今の枠が合わないなら、そこから出てもいい。プラスサイズだってどんな外見だってお洒落していいし、人生の主役は自分なんだから、後悔ないように今の自分で思いっきり楽しんで生きましょう」
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「太って醜いなんて言わせない」…!【記事後編】では、もうひとりの優勝者で「女は地元で専業主婦に。良妻賢母を目指すべし」という“古い価値観”にとらわれた故郷を捨てた49歳女性にインタビューしている。












