「太ってる自分が嫌い」から美の頂点へ コンテスト優勝者が語る“壮絶いじめ”の過去&愛娘に見せたかったモノ
家庭不和から過食に
otoさんの出場は今回で2度目。受賞を誰に伝えたいか尋ねると、
「2024年に一緒に戦ったファイナリストの仲間たちと、毎年旅行に行くぽっちゃり仲間の友人たち」
そして、
「私の体型に否定的だった母や兄の家族にも、この結果を伝えたいと思いました――」
北海道に生まれ育ったotoさん。2つ上の兄と共に、共働きの両親に育てられた。親が夜遅くまで帰らない寂しさや、喧嘩の絶えない両親を見て抱えた孤独から過食を繰り返すようになった。体型がふくよかになると、それを理由に小学校ではいじめを受けるようになった。
お気に入りのヘアピンを用水路に投げ捨てられたり、枝で叩かれたり、傘で刺されたり……教科書を捨てられたこともあった。先生はいじめっ子を贔屓した。助けを求めても「子ども同士のこと」と片付けられてしまった。
人を信じられず、心を閉ざしていたotoさん。しかし「このまま恨んでいても誰からも愛されない」と気づき、自分から変わることを決意した。
「まずは笑顔で挨拶をすることから始めた。すると少しずつ周囲との関係が変化して、生徒会に立候補したり、バレーボール少年団に参加したりしながら、自分を知ってもらう努力を続けました」(otoさん、以下同)
いじめられっ子のレッテルは付きまとい、嫌がらせも受けた。だが、otoさんは「本来の自分」をあきらめなかった。中学に上がる頃には、友達もできるようになったという。
しかし運命は再び彼女に試練を与える。父がアルコールに依存するようになり、家族に対して目に余るほどの暴力をふるうようになったのだ。母はotoさんと兄を連れて別居し、その後離婚した。
20歳で上京し美容師として働くも、コンプレックスには苛まれつづけたという。
「当時は太っている自分が嫌いで、何を着ても似合わないと感じていました」
高校時代からの恋人と結婚し、27歳で出産。生まれつきの心臓の持病のため「出産は難しい」と言われながらも、奇跡的に母となる。「自分がしてほしかった子育て」を心がけ、愛娘に愛情を注ぐ日々を送りながらも、悩みは尽きなかった。
「ずっと、自分の写真を撮るのが苦手でした。でも、Lサイズブランドのアンバサダー募集に勇気を出して応募してみたら、合格したんです。SNSでも“元気をもらえた”“参考にしています”といった声をいただけるようになりました」
現在はアパレル『ハッピーマリリン』のECサイトで、リアルサイズモデル・アンバサダーを務め、「どんな体型の方もファッションを楽しめるように」と、日々活動している。
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