【べらぼう】いよいよ終幕へ 錦絵本のはなむけ、亡き妻を描写…緻密なストーリーのなかでも特筆すべき名場面ベスト5
「借金のかたに俺を売った?」
近年のNHK大河ドラマのなかで『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、歴史ドラマとして比較的、質が高かった。そう思えた最大の理由は、フィクション描写が史料や、主人公の蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)が生きた時代のものの考え方および慣習と、できるかぎり齟齬を来さないように創り上げられていたからだと思う。
描かれる時代の考え方に合わないフィクションが多かったのが、2023年の『どうする家康』だった。一例を挙げれば、徳川家康(松本潤)の正室の築山殿(有村架純)は戦がいかに虚しいかを語り、家康たちの前で「奪い合うのではなくあたえ合うのです」と説いた。...

