「良いこと悪いこと」真犯人はコイツだ “共犯”はなぜか現場から消えた人物 “伏線”からわかったこと

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桜井の死の謎

 やがて桜井は意識を回復。高木に電話を掛けてくる。第4回だった。その際の桜井は車椅子に乗り、それを看護師に押してもらっていた。

 高木は「動けるようになったなら、良かった」と安堵する。桜井は「車椅子だったら移動もしてもいいって」と声を弾ませた。

 お互いに電話を切ると、看護師は桜井に「うれしそうですね」と声を掛けた。ところが桜井は「そうなんですよ……」と答えながら、陰鬱な表情だった。

 高木との電話の内容は桜井の新しい店について。桜井は火事を好機と捉え、新しい店を出すと言った。塗装業の高木に内装の相談に乗ってほしいと頼んだ。

 おかしい。新しい店を出す場合、資金繰りの問題が浮上する。その手続きは煩雑だ。調査の末に保険金が下りることになろうが、短時間で資金を手にするのは難しい。ましてや桜井は意識が戻って日が浅い。相手が金融機関にせよ、保険会社にせよ、どうやって折衝したのだろう。

 手続きのいらない金もある。個人からの譲渡か融資である。桜井は主犯に資金提供を約束されたと見る。前の店より立派になる予定だったのではないか。

 ただし、その金は高木を陥れることによって得られる金だったのだろう。だから高木との電話を切ったあと、声を落とした。

 この後、桜井は車椅子に乗った姿で液体燃料をかけられ、火を放たれる。その映像は高木のスマホに送られた。やったのは主犯だ。

 映像は一瞬、真っ暗になったが、死んだのは桜井に違いない。殺人事件なので、例外なく検視が行われるからだ。検視では身元確認が必須。歯形、DNAなどを基に遺体が誰なのかを確認する。アガサの時代ではないので、「検視はしていません」という筋書きは考えられない。

 桜井が殺される前、病院内に大谷典代の姿があった。元担任教師で現在の校長だ。犯行に関与した人物である。主犯に命じられ、病院に桜井の様子を見に来たのだろう。

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