酔っ払って「カワイイちゅきちゅき」発言も… 7歳年下女性に「この人しかいない」と思わせることができたワケ
人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。
そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。
今回登場していただくのは、8月11日に入籍した、落語家の春雨や晴太(はれた)さん(38)と、講談師の神田鯉花(りか)さん(31)。
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「カワイイカワイイ、チュキチュキ」
2018年11月の東京・新宿末廣亭。落語芸術協会の前座修行中だった晴太さんは、講談師の神田松鯉先生のかばん持ちで楽屋に来た女性を見かけた。「ものすごく萎縮してるな」と思ったが、前座でもない見習いの人は通例通り「いない者として扱った」。その女性、鯉花さんは晴太さんの存在にすら気付いていなかった。
彼女は18年9月入門。翌年2月から芸協の楽屋に出入りするようになり、すでに前座の筆頭格だった晴太さんのことも認識。「美術や社会の先生のような優しそうなイメージで、喋り出すと変だけど、しっかりした人と思ってました」。
その年の8月最終日。年に唯一大っぴらに前座も飲める寄合で、“事件”は起きた。盛大に酔っぱらった彼は彼女に「カワイイカワイイ、チュキチュキ(好き好き)」と連発したのだ。
実は鯉花さん、女性の先輩らが晴太さんには女性の影が全くないなどと言い合うのを聞いたことがあったため、ビックリ。
「この人しかいない」
彼はその後も何もなかったように接してきたが、10月に「ご飯に行こう」と彼女を誘い、「付き合ってください」。彼女は返事を保留した。互いに前座の身で多忙な上、この頃彼女は、体調を崩していた。
「持病で飲んでいた薬が合わなかったのか、仕事中に倒れてしまったんです」
休養することになった鯉花さんの自宅へ晴太さんがお見舞いに。階段も上がれない、買い物にも行けない、茶碗も持てない……。そんな姿を見て、愛媛県の彼女の両親に電話すると、母親から「それならちょっと見ててくださいね」と頼まれた。
11月に二ツ目に昇進し、時間に余裕のできた彼が連日のように見舞い、鯉花さんは半年で復帰。彼女の痩せ細った姿に彼は、彼女いわく「俵のようなかばんに食料品を詰め込んで来てくれた。恩人ですし、講談の『徂徠豆腐(そらいどうふ)』や『大名花屋』に出てきそうな善人ですよね」。献身的に介護してくれる姿に触れるうち、「この人しかいない」と彼女は思った。
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