捜査1課ではなく“広報課”が舞台の「異色すぎる警察ドラマ」 フジ「東京P.D. 警視庁広報2係」成功のカギは“警察広報の奮闘を描いた傑作”
新警察ドラマの主役は「広報」
26年1月スタートのフジテレビ系火9ドラマは「東京P.D. 警視庁広報2係」で、俳優の福士蒼汰(32)が主演を務め、緒形直人(58)と共演することが発表された。
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同ドラマは、事件の発生や犯人逮捕など、捜査情報をマスコミに提供する広報と、捜査現場の刑事との対立と葛藤を描く、完全オリジナルストーリーの社会派警察ドラマ。原案は警視庁記者・報道記者を経験したフジ社員で、主人公が広報という立場で事件解決に奔走する姿を、リアリティーにどこまでもこだわり抜き、メディアの裏側とともに描くという。
「原案の安永英樹プロデューサーは、TBS時代に報道局社会部で数年間、警視庁を担当しました。フジに転職した後も報道局で『FNNスーパーニュース』など、夕方のニュース番組や報道系の番組に関わっています。こうした職歴から連ドラに関わるのは異例なケースです」(放送担当記者)
一口に「広報」といっても、警察の場合、事件に関する情報を広報するだけではない。「オレオレ詐欺にご用心」「歳末警戒実施中」といった、防犯全般に関する情報を流すこともある。また、犯罪捜査だけではない、幅広い警察業務を一般に認知してもらうために、市民との接点を重視する活動もある。
「警視庁広報課は1係が庶務と音楽隊、2係が報道担当、3係がドラマへの協力やバラエティーなど、メディア露出への対応や雑誌などを担当しています。舞台となる2係は、警視庁に常駐する報道各社に対し、事件が起きた際には記者会見や情報管理の段取り、そして捜査幹部との折衝、記者と捜査セクションとの情報管理や折衝を行うなど、広範囲の業務をこなします。メディアとの交流を通じて、情報のコントロールを図ることもあり、最もハードな業務です」(全国紙の元警視庁担当記者)
警察広報課の音楽隊といえば、地方都市の警察を舞台に、阿部寛(61)が刑事部から警察音楽隊への異動を命じられる主人公を好演した映画「異動辞令は音楽隊!」(22年)で、音楽隊の活動がクローズアップされたことがある。
福士が演じるのは、所轄の刑事から広報課2係に異動となる今泉麟太郎役。捜査一課の刑事になるために警視庁に入ったが、なぜか広報課に。しかし、過去に起きた事件のトラウマから、記者のことを嫌っていた今泉にとって、記者との関係性が深くなる広報課への異動は、思いがけないものになっていく。その今泉の上司にあたる広報2係長・安藤直司役を緒形が演じる。元捜査一課の刑事らしく洞察が鋭く、抜けているように見えて、実は記者たちをコントロールしている切れ者だ。異動してきたばかりの今泉を陰で支えるが、ある未解決事件で、複雑な過去を抱えている。
「福士さんのフジドラマ主演は月9枠の『恋仲』以来、約10年ぶり。もともと海外進出を目指して英語やアクションを学んでいたので、最近は海外の作品にも積極的に出演していましたが、社会派作品に挑むことになりました。一方、緒形さんは、『僕だけのマドンナ…and I Love Her』以来、約22年ぶりのフジドラマへの出演で、福士さんとは初共演。すでに35年以上の俳優歴で、名優の域に達している緒形さんとの共演は、福士さんにとって学ぶものが多いはずです」(先の放送担当記者)
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