「年収3000万円でも人気なし」 NHK会長人事「どんでん返し」を狙う大物政治家の名前
すっかりその気になっている
井上氏が次期会長に就任すれば、橋本元一氏以来、実に21年ぶりにNHKプロパーがトップの座を占めることになる。総務省や永田町界隈でも「内部昇格でやむなし。井上副会長がやればいいんじゃないか」との空気が支配的だった。
「岸田、石破の両首相はNHKの人事にさほど関心がなく、今夏までは“井上副会長でもう当確”という情勢でした。以前に閑職へと追いやられていた社会部出身の幹部クラスも井上副会長に近いということで、それぞれ福岡放送局の局長や本部の広報局長ポストを手に入れており、”井上体制”路線が定まったとの評価がもっぱらです。組織内では井上副会長の言動を気にする空気が強まっており、本人もそのことにまんざらでもない様子です」(NHK幹部)
微妙に風向きが
会長を内部昇格に戻すことが組織にとって悲願だったのは間違いない。しかし、ここにきて、微妙に風向きが変化しつつあるという。要因は、10月の高市早苗政権発足である。
「高市氏が総務相だった時期に井上氏は国会担当の理事だった。問題は、当時の籾井勝人会長が国会でNHKに関する件で答弁に立つたびに”糾弾しないでくれ”とか、女性議員に”そんなしかめ面で質問しないでくれ”などと失言ばかり繰り返したこと。そのせいで高市氏は、混乱収拾のため下手をすると朝5時から夜11時まで予算委への対応や準備に追われた。高市氏は当然、井上氏が籾井氏のお目付け役を果たせなかったことをよく覚えている。稲葉現会長の前任・前田晃伸氏がリードした大胆な改革は高市氏も評価しており、次期会長の人事に高市氏の意向が反映されることは間違いない」(政治部記者)
もっとも、それで井上副会長の昇格話が吹き飛んだわけではなく、情勢としてはまだ「優勢」と見られる。
政治部時代は選挙担当デスクとして知られていた井上氏。高市氏は目の前の重要課題をこなすのに追われてNHK人事について明確な考えを示していないが、井上氏としては1日も早く自身に「当確」を打ちたいところだろう。





