“せんみつ”との名コンビで笑いを届けつつ、心は音楽に… 湯原昌幸「ゴールまで歌い続けたい」
自ら芸能誌を買って売り込み 今も続く「冬桜」との縁
バラエティのほかにも映画「トラック野郎」シリーズ出演など、芝居の世界にも足を踏み入れた。だがやはり自身がやりたいのは音楽ということに変わりはなかった。1990年代後半になり、歌をやりたいがために、芸能誌を頼って売り込みを図ることにした。
「『あ』から探して、アップフロントエージェンシーに電話したんだ。当時、堀内孝雄や高山厳が売り出されていてね。最初は色よい返事ではなかったけど、1年ぐらい経ってディレクターが空いたのでやりませんか、と声が掛かった。『人生半分』という曲を出して、人生で二度咲くというアイデアにつながったんでしょうか、群馬県鬼石町(現・藤岡市)に冬と春の2回咲く冬桜というサクラがあり、それを歌うことに」
それが2003年に発売した「冬桜」。有線でじわじわと売れ、翌2004年には有線音楽優秀賞を受賞した。発売から毎年、鬼石町・藤岡市の「桜山まつり」に足を運んでいる。
最新曲は女性に三行半を突き付けられる曲
今年、レコード会社をテイチクから徳間ジャパンに移籍した。そして「どうかしてるね」を11月5日にリリース。ディレクターからは「日本のフリオ・イグレシアスになってほしい」との要望を受けたという。
「メイン曲の作家陣が弦哲也と及川眠子と聞いた。実は弦さんとは同い年で、テイチク時代にもやりたいと思っていたけど実現しなかったんだ。及川さんは僕がどんな歌を歌ってきたかリサーチして、『女にフラれる男の歌は歌ったことがない』という結論にたどり着いたんだって。この曲は女性から完全に三行半を突き付けられる曲だから。僕にとっては新境地だね。世界観はシリアスだし、シニカルな匂いもある。詞の終わりの『君が綺麗に見える どうかしてるね』ってのが肝だね」
実際の夫婦仲は言うまでもなく超円満なわけだが、発売当日に行われたディナーショーでは荒木も登場し、「あなたも気をつけてね」と語って会場を沸かせた。荒木がレギュラー出演している「なないろ日和!」(テレビ東京系)のエンディングテーマにもなった。
新曲を「シリアスな世界観だけど、ある種のコミカルさを捉えてほしいね」と笑顔で語る湯原は、各地でプロモーションを行っている。
「今の健康状態を保っていきたいね。100歳まで20年ちょっとしかないんだよ。それに向かってこのまま元気で突っ走ってゴールを切りたいね。余計なところに金や時間を使わず体力・気力を保っていきたいね」
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第1回【“B面発”から120万枚のヒットへ 湯原昌幸が語る「雨のバラード」誕生までの歩み】では、赤面症だった少年時代から、後の大ヒット曲「雨のバラード」が世に出るまでを語っている。
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