また“大型補強”か…「前田健太」「則本」「松本剛」を狙う阿部巨人 OBは「補強がチグハグ」「若手の成長機会を奪う」
11月12日、NPBがFA権の行使選手を公示した。今オフのFA宣言選手は8名となり、13日から各球団との交渉がスタートしている。この争奪戦で動きが目立つのがやはり巨人だ。現状だけでも8名中2名に関心を示していることが報じられ、また、大物メジャーリーガーにも食指を動かしているとされている。巨人の大型補強はオフの風物詩とも言われる光景だが、そこに疑問の声も上がっている。
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リスクが高い
V奪回を目指す巨人は今オフ、FA権を行使した松本剛(日本ハム)や則本昂大(楽天)、今季途中からヤンキース傘下の3Aでプレーし、日本球界復帰を決断した前田健太の獲得に乗り出していることが、スポーツ各紙で報じられている。
「巨人の補強ポイントはセンターを守れる外野手、コマ不足の先発陣です。補強に動くのは理にかなった戦略と言えます。ただ、松本は日本ハムで22年に首位打者を獲得して以降、成績が下降線をたどっています。今季は66試合出場で打率.188と1軍に定着すらできていない。則本も救援で2年間起用され、先発転向となれば長いイニングを投げるための調整が必要でしょう。前田は37歳で田中将大と同学年です。メジャーでの投球を見ると、直球の球速が落ちてNPBでも通用するか疑問符が付きます。先発の柱として計算するのはリスクが高い」(スポーツ紙デスク)
過去10年のFA獲得選手を見ると…
巨人が最近10年間にFAで獲得した選手を見ると、活躍した選手が少ないことに気づく。16年オフ以降に森福允彦、山口俊、陽岱鋼、野上亮磨、炭谷銀仁朗(現西武)、丸佳浩、梶谷隆幸、井納翔一、甲斐拓也の計9人を獲得したが、森福は3年、井納は2年間の在籍で退団。陽、梶谷は度重なる故障の影響で移籍後は一度もシーズン規定打席に到達できなかった。
21年以降は3年連続でFA補強を見送っていたが、昨オフにソフトバンクの常勝軍団を支えた甲斐拓也を獲得。正捕手に据えたが、シーズン途中に岸田行倫が先発マスクをかぶる機会が増えた。現時点で甲斐の獲得が成功か判断できないが、巨人OBはこう語る。
「甲斐が球界を代表する捕手であることは間違いない。でも、昨年は岸田、大城卓三、小林誠司と3人の捕手を起用する形で投手の良さを引き出していた。ファームには若手有望株の山瀬慎之助もいますし、5年の長期契約で甲斐を獲得する必要があったのかなと。昨オフにFA権を行使せず複数年契約で残留した大城の使いどころがなくなっていますし、戦力補強がチグハグの印象があります」
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