「フェイク画像を見抜くのは事実上、無理…」 「共同通信」が謝罪 ウミガメ「AI加工画像」配信の裏側

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現場の衝撃

 共同通信は訂正記事の中で「写真の提供を受ける際には加工の有無の確認を徹底するなど再発防止に努める」と宣言した。

 だが、これで対策と言えるのかについて疑問を呈する記者もいる。

「事件や事故の際にはどうしても提供写真に頼らざるを得ないケースが増えています。もちろん、提供者が現場にいたのかどうかや、ネット上に落ちている写真ではないかを確認しますが、それだって限界はある。ましてや悪意のある相手がAI加工をしていたら、当然こちらが確認しても『AIは使っていません』と言うでしょう。見抜くのは事実上無理です」

 別の編集部デスクも「会社はAI使用の有無を確認するようにと簡単に言いますが、幹部がAI加工の巧妙さや浸透ぶりを理解しているとは思えません。スマホの加工アプリを入れる人は多く、今後はカメラそのものにAI機能が搭載されていくでしょう。こんな状態では怖くて提供写真を入手しようとは誰も思いません」と懸念。さらにこう続けた。

「たとえば芸能人の写真は事務所側からの提供ばかりですが、AIでなくても、シミや目元のクマを修正しているかもしれません。これまでの提供写真をすべて確認できるわけがない。その場しのぎの対策ではなく、確実に見抜くためのチェック方法を示すべきです」

現場の懸念をよそに社長は…

 そして今月4日に迎えた創立80周年記念式典で沢井社長は全役職員に対しこう宣言した。

「現場で頑張っている人たちが頑張り続けられる組織として次の世代に引き継ぐことが、われわれ現経営陣の任務だ」

「あらゆる面で生成AIの活用は避けては通れない。編集面でも積極的な活用を進める方向で、使用例をまとめたガイドラインを現在、作成している」

 なんとも心強い言葉だが、現場の懸念との“温度差”が気になるところ。そして事は共同通信に限らず、メディア全体に恐怖を与えたのは間違いない。

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 上記の指摘について、共同通信社に尋ねたところ、大要、以下の通り回答した。

「配信から生成AIの利用を確認するまでに時間がかかったことは確かで、写真を掲載した加盟社に対し、1日に『おわびと訂正』を配信しました。創立記念式典の内容は社外に公表していません」

デイリー新潮編集部

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