「フェイク画像を見抜くのは事実上、無理…」 「共同通信」が謝罪 ウミガメ「AI加工画像」配信の裏側

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結果は「アウト」

 結論から言えば、共同通信は11月1日、写真はAIによって加工されたものと判断し、取り下げを加盟社に通知した。調査の過程は以下の通りだ。

 まず疑義が生じた翌日の10月25日、うみがめ館の代表に問い合わせると「動画の切り出しを知人が鮮明にしたもの」と説明。鮮明化の経緯は依然不明だったが、共同通信としても元の動画と見比べた結果、こんな違和感を覚えたという。

「動画の粗さに比べて写真のディテールが極めて鮮明な上、タヌキの足や頭の位置が整合していない。しかもウミガメの向きも違う……」

 そのため「AIで加工された可能性がある」と判断した。

 鮮明化を巡る調査を継続し、11月1日、この知人にようやく記者が直当たり。「生成AIのチャットGPTに画質の向上を指示して作った」と認めたのだった。

 共同通信は同日夜、写真を取り消した上で「AI加工提供写真取り消し 共同通信『指針に反する』」との記事も配信した。

共同通信の判断は妥当だったのか?

 一見、共同通信としては事後対応として「やるべきことをやった」かに見える。ところが、対応の鈍さを指摘する声もあるという。関係者が説明する。

「本来であれば、記事や写真に疑義が生じた場合、即座に『使用差し止め』を加盟社に通知します。これは『疑義が晴れるまでは、掲載するのをストップしてください』というお知らせです。共同の記事は配信直後だけでなく、1週間後、場合によっては1カ月後に掲載する新聞社もあるからです」

 後に問題なしという判断になればあらためて掲載可能とし、問題があれば訂正するか取り消すかを伝えるというわけだ。今回はこれがなかった。

「そのため、毎日新聞は共同の配信記事と写真を10月27日に掲載してしまいました。他に東京新聞や中国、西日本、神戸の各地方紙も28~30日の間に掲載しています」(同)

 共同通信が「使用差し止め」を通知したのは10月31日のことだった。

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