TBSの低予算ドラマが絶好調のワケ 「ラブコメ+飯テロ+家事労働」という新ジャンルが大バズリ

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驚異の配信数

 この秋の連続ドラマの中で異例の人気を見せているのがTBS系ラブコメ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(火曜午後10時、以下『じゃあつく』)だ。とにかく配信数で突出した数字をたたき出している。初回無料配信の総再生数が365万回を突破(「TVer」と「TBS FREE」の合計)。これは火曜ドラマ歴代1位で同局のドラマの中でも人気作「VIVANT」に匹敵するハイペースとなっている。しかも番組お気に入り登録数は150万を突破しており今期秋ドラマのダントツ1位を独走中だ。

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 秋の連ドラをウオッチしている放送ライターがこう話す。

「『じゃあつく』のTVerお気に入り数が、テレビ朝日の強力ドラマ『相棒』の100万をはるかに上回っているというのは驚異的。4日に放送された第5話の平均視聴率も世帯7.0%、個人4.0%(ビデオリサーチ、関東地区)と秋ドラマの中で上位集団にいます。視聴率自体は突出した数字ではないですが、若い世代から圧倒的な人気を集めていることが配信の再生数で分かります」

 谷口菜津子さんのコミックを原作に、夏帆と竹内涼真がダブル主演。勝男(竹内涼真)は、料理は女が作って当たり前という化石のような思考の持ち主で、同棲中の鮎美(夏帆)にプロポーズする。だが、同じ日々が続くことに嫌気がさした鮎美は突如、別れを告げる。理由が分からない勝男は会社の後輩らに相談するうちに、自らの愚かさに気づいていき……。

 タイトルからも伝わるように、この作品は「家事労働」「料理」「家庭内ケア」をめぐるジェンダーの議論や性別役割分業を真正面から問い直す意欲作だ。日本の男性の家事・育児時間は先進国で最下位レベルにあり、性別役割分業の固定観念は依然として根強い。ただ、そのような問いかけを含みながらも、このドラマは重くならずむしろ爆笑の連続となっている。

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