昭和のベテランサウナー・加藤勝信前財務相の“気合いの入った”サ活に同行取材「SPさんに申し訳なくてしばらく我慢していました」
大蔵官僚時代のサウナ
6分が経過し、まず秘書が脱落。8分で記者もギブアップし、2人で加藤氏が出てくるのを待った。だが10分経過しても出てこない。もしや倒れてないかと不安になり戻ろうとしたちょうどその時、加藤氏は汗だくの紅潮した顔で出てきた。時計を確認すると在室時間はおよそ11分だった。
「いや、ソフトバンクの攻撃がなかなか終わらなくてね…」
とことん限界まで追い込むのが「加藤流整い方」のようだ。そして御年69とは思えぬ軽い足取りでスタスタ水風呂へ。だが、ここの水風呂は15度とかなり冷たい。何も知らずに入って肝を冷やさないかーー。
記者が不安げに見守る中、加藤氏はギンギンに冷えた水風呂に平然と入っていった。まずは片足から慎重に。両足を入れて、ゆっくり腰を落として最後は首元まで浸かると、2分弱、声一つ漏らさず浸かっていた。我慢に我慢を重ねてこそ至福の「整いタイム」が楽しめる。オーソドックスだが基本に忠実な整い方だ。
寝転びながら湯に浸かれる外気浴スペースで、夜空を見上げながらサウナ歴について聞いた。
「政治家に転身する前、大蔵官僚をしていた20代、30代の頃はよく夜中に役所を抜け出して、後楽園にあった街サウナなどに同僚と行きました。当時はこのように設備が整ったサウナは都内にはなかったよ。ただやることは今と同じ。熱いサウナに入って、冷たい水風呂で一気に体を冷やし、休憩する。これを3回繰り返すといいと昔から壁に掲示してあった。僕がよく利用していたのは昭和40年代から60年代。『整う』なんて言葉のなかった時代ですが、昔からサウナは国民の疲れを癒す場として利用されてきたのです」
サウナ業界が求める規制緩和
しっかり3セット「サウナ→水風呂→外気浴」で整ってから、休憩室で話の続きを聞いた。
「こういうサウナ施設は公衆浴場法に則り、都道府県知事の許可を得て営業しているのだけども、具体的には各都道府県が条例で必要な基準を定めている。ただ、自治体によってはアウトドアサウナが許可されていたりいなかったり、水着着用で男女の一緒の利用がOKだったりダメだったりと、規制の仕方がまちまちです」
加藤氏は厚労大臣を務めていた時、厚労省で自治体によって規制にどのくらいのばらつきがあるか調査をしたことがあるという。
「公衆浴場法は厚労省が所管していますからね。業界からはもっと国が音頭を取って規制を緩和してほしいという要望がありました。僕の地元の岡山県もそうですが、サウナブームを地方創生に利用している地域もあります。そこで、もっとフレキシブルにやれませんかと様々な対応を取っている自治体の実態を周知しました。サウナ議連にも入っているし、サウナを通して国民の皆さんにどんどん整ってもらいたいという思いは今もあります。今後もサウナーの声には積極的に耳を傾けていくつもりです」
最近のサウナーに人気のサウナ上がりに飲むドリンク「オロポ」(オロナミンCとポカリスエットを割ったドリンク)を試してみたが、口には合わなかったようだ。
「ちょっと甘いねぇ。僕はやはりビールの方がいいなぁ」
後編【「決まったからには高市総理を支えます」小泉進次郎陣営“元参謀”加藤勝信前財務相に「趣味のサウナ」で直撃インタビュー】では、いよいよサ飯を食べながら政治について聞いていく。酒が入った加藤氏の口は軽くなるかーー。










