「ただの芸人じゃない」東京03角田、ドラマ賞受賞の快挙 バカリズムも認めた“哀愁”と演技力の秘密
「ホットスポット」
東京03の角田晃広が「東京ドラマアウォード2025」で助演男優賞を受賞した。受賞作となったのは、バカリズムが脚本を務めたことでも話題になった日本テレビのドラマ「ホットスポット」。この作品で彼が演じたのは、宇宙人であることを隠してホテルで働いている中年男性。ひょんなことから同僚の女性に宇宙人であることを知られてしまい、その能力を生かしてさまざまなトラブルを解決していくことになる。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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【写真】「彼女ができました」と突然の報告…角田晃広、密着の2ショット。「ホットスポット」出演ショットも
コメディタッチのこの作品の中で、角田は程よいリアリティを維持したまま、人間味のある宇宙人を演じていた。コントの舞台で磨いてきた演技力が、ドラマの世界で遺憾なく発揮されていた。
東京03は日常的な設定の演劇的なコントを得意としていて、3人とも芝居が上手い。特に角田は、天性のコメディアンのようなところがあり、普通に演技をしているだけでも、どこかおかしみが漂ってしまうようなところがある。彼らのネタではそんな角田のキャラクターが上手く生かされている。
コメディアン気質と言っても、無理に誇張したような演技をすることはない。細かい表情や発声や間の取り方で、その人物を見事に表現してみせる。コントでは短い時間の中で登場人物の性格や感情を観客に伝えなければいけない。その表現力を養ってきたことが、ドラマの現場でも生かされていた。
そして、コントの世界ではリアリティも必要不可欠である。現実離れした奇抜なことばかりをやっていても、笑いが起こることはない。しっかりした土台があるからこそ、そこからの逸脱で笑いが生まれる。角田の演技には常に生々しい現実味があり、観客は「こういう人いるよな」と自然に彼のキャラクターを受け入れることができる。そのような経験の積み重ねによって、ドラマでも自然な芝居ができている。
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