視聴率0%台…「とれたてっ!」が大コケで招く“負の連鎖” 夕方ニュースも共倒れの深刻度
深刻な低視聴率
フジテレビが午後帯の情報番組を5年ぶりに復活させてから約1か月が過ぎた。その番組は系列の関西テレビ(大阪)が制作する「旬感LIVEとれたてっ!」(平日午後2時48分)。低迷が続くフジが浮上するためのカギを握る番組だ。視聴率はどうなっているのだろう。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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【写真】すごいメンツ…「とれたてっ!」の“濃すぎる”レギュラー陣
「とれたてっ!」の視聴率は深刻なまでに低い。10月29日放送が個人0.5%(世帯0.9%)、同30日が個人0.4%(世帯0.8%)、同31日が個人0.4%(世帯0.9%)。各局が深夜と早朝に放送する通販番組並みの数字である。
同じ時間帯で放送されている他局の情報番組とは大差が付いている。日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」(平日午後1時55分)の同31日の視聴率は個人2.3%(世帯4.7%)。TBS「ゴゴスマ -GO GO!Smile!」(同)は同じく個人2.6%(世帯5.4%)。10月全体の平均個人視聴率も「ゴゴスマ」がトップだった。
ただし、「とれたてっ!」の低視聴率は仕方がない。まず、観る側の視聴習慣は簡単には変わらない。読み慣れている新聞、ずっと使ってきた醤油や味噌を容易に変更できないのと同じだ。
おまけに「とれたてっ!」は他局の情報番組より放送開始が約1時間遅い。制作担当局の関テレは午後1時50分から放送を開始しているが、フジは後半部分しか流さない。
さらに、他局の情報番組は上々の視聴率を得る生番組の後を受けて始まるが、「とれたてっ!」の前に放送されているのはドラマの再放送。個人視聴率は1%以下。午後帯の視聴者はあまりチャンネルを変えないから、前の番組の低視聴率は痛いのだ。
NHKの調査によると、視聴者は2時間30分の間に平均3.5回チャンネルを変える。しかし、15%の視聴者は全くチャンネルを変えない。14%の人は1度しか変えない。チャンネルは意外なくらい変えられないのである。
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