視聴率0%台…「とれたてっ!」が大コケで招く“負の連鎖” 夕方ニュースも共倒れの深刻度
「イット!」でもある
フジが「とれたてっ!」を始めた理由もここにあると見ていい。フジは9月末まで5年間にわたって、平日午後1時50分から同3時42分まで旧作ドラマ2本を流してきたが、その視聴率があまりに悪いこともあって、「Live News イット!」(同3時42分)は極度の不振が続いていた。
再放送は個人視聴率でせいぜい1%台しか得られない。データではっきりと証明されている。特に一度見逃すとストーリーが分からなくなるタイプの連ドラは再放送には向かない。夜の放送と違い、午後帯は出掛ける人が多いからだろう。
ドラマの再放送より高い視聴率を期待されて始まった「とれたてっ!」。だが、まだ低視聴率。これが、後に続くニュースにどう影響をおよぼしているか。見てみたい。
まず「ミヤネ屋」に続いて放送された10月31日の日テレ「news every.第1部」(平日午後3時50分)の視聴率は個人2.6%(世帯4.7%)だった。
「ゴゴスマ」に続く同日の「Nスタ第0部」(同3時49分)は個人2.6%(世帯5.4%)。両番組とも前の番組の比較的高い視聴率をしっかりと引き継いでいる。
個人、世帯の視聴率が1%に満たない「とれたてっ!」からバトンを受けた同日の「イット!第1部」(平日午後3時42分)は個人0.8%(世帯1.5%)。やっぱり低視聴率を継承している。負の連鎖が起きている。
各局の夕方のニュースは0部、あるいは1部の視聴率の傾向が午後7時の放送終了まで続く。このままではフジの浮上は難しい。午後7時以降も前の番組の影響が続くからだ。もちろん、それぞれの番組の優劣が肝心だが、夕方のニュースが弱い局は古くから夜の番組も沈みがちなのだ。
フジが視聴率で断トツだった時代(1982~93年)は、夕方のニュース番組戦争でも「FNNスーパータイム」が常勝していた。向かうところ敵なし。MCの故・逸見政孝さん、幸田シャーミン氏(69)がタレント並みの人気を得ていた。
そもそも夕方のニュースは中身にあまり差がない。だから余計に前の番組の影響を受ける。各局とも事件と政治の主なニュースを流すが、内容はほとんど一緒。ほかにグルメ情報やお買い得情報、観光情報などがあるものの、これも似たり寄ったりだ。
だからMCの好感度も視聴率を左右するが、「イット!」の青井実氏(44)の人気がどん底とは思えない。フジとしては、ひとまず「とれたてっ!」の視聴率を上げ、他局と同じ土俵に立ちたいところだろう。
では、「とれたてっ!」の視聴率が上がる可能性があるかというと、現状では難しい。一番の理由は放送時間帯だ。この番組が始まるまでに「ミヤネ屋」と「ゴゴスマ」は主なニュースを伝え終えている。
11月4日放送の「ミヤネ屋」はトップで高市早苗新首相(64)の演説を伝えた。この番組は天下国家に関わるニュースを好む傾向がある。政治のあとはワールドシリーズを連覇したドジャースのパレードを伝えた。
同日の「ゴゴスマ」の冒頭は東京都内にも出没したクマの情報。次いで、この日は今年一番の冷え込みとなったこともあり、天気予報。この番組は生活者目線の情報を優先しているようだ。その後、東京・浅草からの短い生中継を挟み、やはりドジャースのパレードを伝えた。
約1時間遅れで始まった「とれたてっ!」の最初の情報はドジャースのパレード。他局でほぼ放送を終えた後だった。これは辛い。他局を観ていて、この番組に乗り換えようとした視聴者が、ドジャース情報を目の当たりにしたら、再びチャンネルを変えてしまう可能性が高い。
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