ド軍・ロバーツ監督は苦言も…大谷翔平(31)の「初球打ちは間違っていない」と名将「野村克也監督」の“教え子” 投手の分業制が確立した今、あえて「球数を稼ぐ必要はない」

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 第1回【大谷翔平(31)の初球打ちは「得策ではない」のか? 「データ重視の現代野球で“ノーボール・ノーストライク”は打者に有利」とレジェンド打者も指摘】からの続き──。ドジャースの大谷翔平は「初球を打って凡打」というケースが少なくない。そのためSNSには「もったいない」という野球ファンの溜息が殺到する。(全2回の第2回)

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 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督も昨シーズン、大谷の初球打ちに苦言を呈した。ところが、データ解析の専門家やスコアラーといった野球を熟知する人々は「初球打ちは決して誤りではない」と口を揃える。

 なぜならストライクの数が増えるたびに打者がヒットを打つ確率は下がることは、カウント別の打率に関する様々な調査で指摘されているからだ。

「0ボール0ストライク」の初球は、「1ボール0ストライク」や「2ボール0ストライク」、「3ボール0ストライク」と同じように「ストライクの数が0」という点において打者に有利だという。

 野村克也氏がヤクルトの監督を務めていた時、野球解説者の広澤克己氏は4番を任されていた。野村氏から「相手バッテリーの配球を考えたバッティングをしろ」と常に言われ続けてきた広澤氏に「大谷の初球打ち」について話を聞いた。

「率直に言いますが、初球を凡打して『もったいない』という批判は的外れだと思います。ボールの数を問わず、0ストライクの時が最もヒットを打てる確率が高くなるのはデータが証明しています。となると、初球を凡打した打者に対する正しい批判は『なぜ凡打したのか?』であって、『なぜ初球を打ったのか?』ではないのです」

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