ド軍・ロバーツ監督は苦言も…大谷翔平(31)の「初球打ちは間違っていない」と名将「野村克也監督」の“教え子” 投手の分業制が確立した今、あえて「球数を稼ぐ必要はない」

スポーツ 野球

  • ブックマーク

ロバーツ監督の誤り

 昨年の4月16日、対ナショナルズ戦で大谷は5打席2安打だったが、3打席は全て得点のチャンスだったにもかかわらず初球を振って凡打に終わった。

 試合後、アメリカメディアが大谷の初球打ちを問題視すると、デーブ・ロバーツ監督は「落ち着かないといけない。投球を見るように伝えるつもりだ」と苦言を呈して話題になった。(註)

 初球打ちを問題視する理由として「対戦投手の球数を増やせない」ことを挙げる野球関係者は少なくない。だが広澤氏は「私は違うと思います」と言う。

「これだけ投手の分業制が確立されているのですから、1打席で数球を余計に投げさせたかどうかの違いが試合に大きな影響を与えるとは考えられません。しかも球数を重視する関係者も、打者が初球を見事に打てば手の平を返して評価します。本当に球数を増やすのが最優先なら、ヒットでもホームランでも常に初球打ちを批判すべきであって、そうしないのは矛盾でしょう。大前提として『0ストライク0ボールは打者有利のカウント』というデータがあるのです。アウトカウントやランナーの有無で具体的な対応策は変わりますが、初球を積極的に振ること自体は間違っていないのです。そのためロバーツ監督が大谷選手の初球打ちを『投球を見るように伝えるつもりだ』と批判したのは、これも間違っていると言わざるを得ません。ロバーツ監督は『大谷がチャンスで凡打したのが問題だ』と苦言を呈するべきであり、初球を振ることを注意してはダメなのです」

 第1回【大谷翔平(31)の初球打ちは「得策ではない」のか? 「データ重視の現代野球で“ノーボール・ノーストライク”は打者に有利」とレジェンド打者も指摘】では、メジャーのデータ重視が初球狙いの合理性を増しているという意外な事実をお伝えする──。

註:大谷翔平にロバーツ監督が苦言「落ち着かないといけない」好機で3打席連続初球打ちの凡退「投球を見るように伝える」(デイリースポーツ電子版:2024年4月17日)

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。