「悲しきヒットマン」76歳で逮捕! 18年間の逃亡劇で注目される支援者の名前
スーパーでの買い物を
「勢容疑者の逮捕と同時に、その逃亡生活を助けた犯人隠避の疑いで無職の容疑者も逮捕されました。勢容疑者のスーパーでの買い物を手伝って車で送迎していることなどがわかったためですが、なかなか大胆な行動だなと感じました。もうバレないと開き直っていた印象もあります」
と、社会部デスク。この勢容疑者こそが、『悲しきヒットマン』のモデルだった。
注目されるのは、今後の捜査の進展である。4代目山健組若頭は指示役と認定され、懲役20年の刑が確定しているのは前述の通り。そして今回、実行犯も逮捕された。となると、改めて当時トップだった井上組長の関与に捜査当局の関心は移ることとなるのは必然である。
「捜査当局も井上組長と勢容疑者との接点を“可視化”すべく注力しています。勢容疑者は組織が支援して逃亡生活を送ってきただけに口を割ることはないと見られていますが」(同)
勢容疑者にとって口を割るメリットは無いに等しい。現在76歳で長期懲役は不可避。少々捜査当局にサービスしたところで、結局は刑務所で晩年を迎える可能性が極めて高いので「すべては墓場まで持っていく」と判断をするのが自然ではある。
黙っていれば済むという話でもない
ただ、当人が黙っていれば済むという話でもないようだ。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)によると、
「逃亡中、井上組長の自宅を勢容疑者が訪ねていたとの証言があるそうです。自宅は警察の警備車両で固められていますが、そもそも自宅への出入りは頻繁なのですべてが誰何されることはないようです。冷蔵庫が入りそうな大きさの段ボールに入るなど偽装すれば自宅内に入り込むのは可能。部屋住みをやっていて今は組織から離れてしまった末端組員がそのことを警察側に喋っている可能性があると聞きました」(同)
井上組長宅に横付けされた車両を当局が確認し直したところ、特定の怪しい車両が浮上しているとの説もある。本人以外の証言や証拠を積み重ねることで、井上組長と勢容疑者とが実際に接触していたことを客観的に証明できるか否か。捜査当局は難しいミッションに注力している。






