「分譲型シニアマンション」vs.「サ高住」どっちがベター? …の前に把握しておきたい意外な“落とし穴” 検索サイトでは分からない「老後の住まい」の“リアル”とは

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 老後の住まいの選択肢として一般化してきた「分譲型シニアマンション」と「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」だが、まだまだ一般の分譲マンションや賃貸物件と比べ、情報収集の難易度が高いのが課題になっているという。都内マンションの販売価格を定点観測し続けるマンションブロガー「マン点」氏は、「老親や自分の人生がかかった選択になるからこそ、その“メリデメ”をしっかりと知っておく必要がある」と話す。同氏のレポートをお届けする。

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老親や自分の将来も 頭の痛い「老後の住まい」問題

 老後の住まい選びは、一般の物件に比べ「情報戦」の色合いが濃くなる。

 新築マンションなら、販売時の坪単価からリセール価格、物件の「修繕リスク」まで事細かに暴いてくれるマンションブロガーがいるが、「分譲型シニアマンション」や「サ高住」ではそうもいかないのが現状だ。

 自分で一生懸命にネットを漁ってみても、得られるのは断片情報ばかりなのに、そこに老親や自らの人生がかかっている。

 日本社会は猛烈なスピードで高齢化が進んでいる。2025年の時点で人口に占める75歳以上の割合は約5人に1人、65歳以上に至っては約3人に1人である。

 人生の終盤に差し掛かる頃には、調べる気力も判断力も低下している。そのため、必要な「価格・サービス・出口」の比較情報にたどり着けないこともしばしばだ。

 やっかいなのは、「老後の住まい」は判断を誤ると“失敗の回復不能性”が極めて高いことだ。一般の住宅と異なり、一度入居してしまえば本人の健康状態や入居時の契約条項により、自由な住み替えも難しくなる。

 だからこそ、「どちらを選ぶか」ではなく、「なぜこの二択が老後の住まいの主戦場になるのか」を理解する必要があるのである。

販売中の分譲型シニアマンション件数はわずか

「分譲型シニアマンション」は、アクティブシニア向けの所有権型住宅だ。バリアフリーの設計に、コンシェルジュやレストラン、フィットネスのサービスを備え、なかには高級リゾート並みの物件も存在する。だが、分譲型シニアマンションの件数は多くない。

 分譲型シニアマンションの情報が充実している老人ホーム検索サイト「LIFULL介護」でさえ、記事を執筆した時点では全国で63件(総戸数は約1万戸)しか表示されない(2025年10月現在)。しかも首都圏と大阪に偏っている(次図)。

 さらに「販売中」の住戸となると件数はさらに少なくなる。本来は販売中の住戸数の合計を示したいところだが、63件のうち12件は販売中の住戸数を公開していない。「お問い合わせください」として、電話で契約を絡めとろうとしている姿勢はいただけない。

 このシニア向け分譲マンションの最大の特徴は、支援スタッフがいることだ。有料とはいえ、身体の自由が利かないお年寄りにとってはありがたいサービスだ。

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