過去10年で最悪だった昨年に迫る勢い 「マイコプラズマ肺炎」「インフルエンザ」の感染が猛威をふるう理由とは
免疫システムがと過剰反応して重症化
「マイコプラズマ肺炎は飛沫や接触で感染しますが、他の感染症と違い病原体が気管支の奥や肺まで広がりやすい。しかも傷つけられた気管支は修復されるのに時間がかかる。それまで咳が止まりません」(寺嶋氏)
感染者は18歳未満の子どもに多いが比較的軽症で済む。恐ろしいのは重症例の大半が大人であることで、持病を抱える高齢者は要注意なのだ。
「成人は免疫システムが強固なため、病原体と戦うと過剰反応して重症化しやすいのです。体内に入った病原体をやっつけるため免疫細胞が集まると、炎症物質が放出される。それが病原体を殺すだけでなく、私たち自身の細胞をも傷つけてしまうことがあるのです。一時期コロナでも言われた『免疫の暴走』(サイトカインストーム)と同じような仕組みです」(同)
となれば何が起きるのか。
「肺の細胞が傷つけられて息苦しくなるだけでなく、炎症物質が血液の流れに乗って全身に広がり、心臓や腎臓の働きが悪くなる『多臓器不全』などの症状が現れます。脳に炎症が及び脳炎となって意識障害に至ったケースもある。高齢者なら心臓や肺などに持病を抱える方もいますから、感染をきっかけに重症化することもあり得ます」(同)
***
〈【「マイコプラズマ肺炎」「インフルエンザ」に大流行の兆し 今からできる感染症予防に有効な「秋バテ」対策とは】では、実際にマイコプラズマ肺炎に罹り生還した60代男性の「恐怖の体験談」に加え、専門家が重要だと指摘する「秋バテ」予防に有効な対策など、「マイコプラズマ肺炎」「インフルエンザ」の大流行に備えるための最新情報を約6000字にわたり詳報している〉
[3/3ページ]


